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松山英樹選手がプロ転向!
予定よりも少し早く、阿部靖彦監督の号令と共に始まった。
冒頭の挨拶に東北福祉大学の大竹榮部長は「(松山英樹が入学してから)この3年間では未曽有の大震災を経験しましたし、マスターズ出場に始まり、プロトーナメントにも勝ち、当然学生の試合でも活躍してくださいました」と、プロ歩みを始める松山英樹へ激励の言葉を贈った。
その言葉を受けた松山は、「私、松山英樹は本日プロに転向を致します」凛々しい表情を崩すことなく堂々とプロ転向を宣言してみせた。
4才からゴルフを始め、数々のタイトルと実績を残してきたが、最も印象に残っているのは「アジアンアマで優勝し、2年連続で夢の舞台マスターズに出場できたことが非常に貴重な経験になりました」と振り返る。
2011年の『三井住友VISA太平洋マスターズ』では倉本昌弘、石川遼に次ぐツアー史上3人目となるアマチュア優勝を果たした。この優勝で得た2年のシード権も今年限り。シード権を行使するにはプロ転向が第一条件となっている為、プロ転向へ踏み切るのは自然の流れだったのかもしれない。
「昨年プロの試合に出場しトップ10にたくさん入ることができ、やっていける自信を持ちました。4つのメジャー全部で勝てるプレーヤーになりたいです」と決意表明。
報道陣からプロ転向のきっかけについて問われると、「三井住友VISA太平洋マスターズで優勝してから意識し始め、昨年のマスターズでプロ転向を決意した」と述べた。
発表を前に、先輩であり今季選手会長を務める池田勇太へ報告をしたところ、ただ一言「頑張れよ」と。
しかしながら、その一言も先輩からの言葉にはプロの厳しさを感じさせられる重い一言となったに違いない。
今後は、まだ在学中ということから、東北福祉大学の学生としてプロの試合に出場していく。
所属先を「東北福祉大学」とし、大学側のバックアップ体制も万全であることが明らかになった。またプロ転向で注目される使用するクラブやスポンサーの契約については「プロ転向したばかりですので、これからクラブメーカーやスポンサーも検討していく」と阿部靖彦監督が答えた。
そして何より心強いのは、東北福祉大学ゴルフ部の先輩2人とチームを組むことだ。帯同キャディに進藤大典(しんどうだいすけ)さん、専属トレーナーに金田相範(かねだはるのり)さんの両名に決まり、チーム東北福祉大学としてプロトーナメントに立ち向かう。
プロゴルファーと学生の二足の草鞋を履くこととなった松山。大学4年生となった今年はゴルフ部のキャプテンも務める。「試合には出られないですが、皆を見守っていきたいです。プロとしては今まで通り1打1打をしっかりやっていき、結果を出したいです」と力強く話した。
プロ転向の会見に先立ち、前日の4月1日には日本学生ゴルフ連盟、日本ゴルフ協会の安西会長、日本プロゴルフ協会の森会長、日本ゴルフツアー機構の海老沢会長へそれぞれ挨拶を済ませたことも明かした。
また日本プロゴルフ協会では役員の方々による面談を実施し、定例会議に於いて特別承認され、プロ宣言後に本人へ渡して欲しいと森会長から託された日本プロゴルフ協会のライセンスと当機構ツアーメンバーおよび選手会の登録証を阿部監督から手渡され、笑みがこぼれた。
今シーズンの目標を聞かれ「全英オープンの出場が決まっているので、そこで上位に入る為に何が必要なのかを考えてプレーしていきたい」と早くもメジャーを視野に入れている。
阿部靖彦監督は、「あくまでも新人です。ツアーで1勝しているからといっても、日本ツアーではプロとして新人です。ゴルフは自分自身との戦いですから、自分の力でメジャーへの挑戦権を勝ち取る為にも、1試合1試合上を目指して頑張ってもらいたいです」と叱咤激励した。
同い年の石川遼がアメリカツアー参戦で不在の中、新たなスターとして期待される松山英樹がプロとしての第一歩を踏み出した。