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三井住友VISA太平洋マスターズ 2009
久保谷と近藤、同組の2人が揃って好発進
久保谷が「近藤くんに引っ張られた。きっちりパーオンさせてパットに持ち込むという非常にそつのないゴルフをしていたので。僕もパットに頼って楽にやってみようと思った」と話せば、時間差でインタビュールーム入った近藤も「いやいや、僕はいっぱいいっぱいで。引っ張られたのはこちらのほうです。久保谷さんのほうが、楽ちんにゴルフをしていました」と、同じような感想で苦笑した。
先週、苦い思いを味わったのも同じだ。
久保谷は2週前に、アジアンツアーのバークレイズ・シンガポール・オープンに挑戦。
常夏の国で腕試しは貴重な体験となったが翌週、帰国したレクサス選手権は当然のことながら一転、急な冷え込み。
たちまち体調を崩したばかりか、芝質の違いにも対応しきれず「覇気がない。こんなんじゃ、回りの選手にも迷惑がかかるだけ」と、言い残して2日目に棄権をした。
「出直し」の今週は、地元・神奈川の自宅から車でも「1時間ほどしかかからない」と言い、「今日もコースで10人くらい知り合いに会って。頑張らなくちゃ、と気持ちだけでも気合いを入れました」と、12番ではなんと20メートルのバーディパットを決めるなど先週とはまるで、別人のよう。
そして近藤もまた、ホストプロとして迎えた先週のレクサス選手権で、週末に残れなかった。初日から連続で74を打って予選落ちを喫し、「何をやってもうまくいかない」と言い残してコースを去った。
今週も悪いイメージは依然として残ったままで、不安があるからこそ「セーフティに打って、大きなミスだけはしないように」と慎重にプレーしたことで、逆にチャンスを呼び込んだ。
11番は、スプーンで打った残り268ヤードの第2打を1.5メートルにつけてイーグルを奪うなど、5アンダーで踊り出た。
だが好スタートしながらも、「ショットも朝からちゃらんぽらん。余裕がない」とこぼす言葉もまた同じだ。
かくいう近藤は、プロ10年目の32歳。
久保谷はプロ15年目の37歳。
この三井住友VISA太平洋マスターズは、翌週のダンロップフェニックスとカシオワールドオープンを総じて、古くから「インターナショナル3連戦」とも呼ばれ、秋のビッグトーナメントと位置づけられており、「初めて出場したときは、それは緊張したものだけど。この歳になると、そろそろ1年が終わりだな、という感じで。慣れちゃって、落ち着いちゃってる」。
その点でも、近藤もまた同じ気持ちがあるだろう。
「その落ち着きが、どう転ぶか」。
引き続き、2日目の同組ラウンドにも注目だ。