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宮里藍「この経験をアメリカで生かしたい」

前日初日、「青木さんに口で負けないよう頑張ります」と話していた藍ちゃん。世界のアオキのちょっかいにも常に笑顔でかわす余裕!!
ファイナルステージ終了後、同じ組でまわった青木功、深堀圭一郎とともに記者会見にのぞんだ。
青木が、ふいに宮里に向き直って聞いた。
「疲れてるだろう?」。

63歳からのねぎらいの言葉に、すぐに宮里は元気に切り返した。
「いいえ、疲れてません、若いですから!」。

それでも青木は頑固に言って、こう続けた。
「いいや、疲れてる。・・・でも、それを絶対に見せない。それがプロってもんなんだな」。

大会前日の8日(木)に、トップ通過を果たした米女子ツアーの予選会から戻ったばかり。
成田空港に降り立つと、ぶっつけ本番でこの対抗戦にのぞんだ。
時差ボケも、疲れも当然あっただろう。
しかしそんな素振りは微塵も見せなかった。

深堀が、感心しきって言った。
「スコアには、本人も不本意なものがあると思うけど、それでも藍ちゃんらしい明るいゴルフを見せて、みんなに元気をくれた。20歳にして、そんなことができる・・・」。

心身ともに疲れていても、深い洞察力は衰えない。
青木とのプレーの中で、報道陣から「来年のアメリカ参戦にむけてアドバイスはあったか」という質問が出た。
宮里は一瞬、真顔になって「何も言われてませんけど、プレーを見ていれば、伝わってきます」と言った。

コースとの一体感。どんなときも自分を見失わず、マイペースを貫ける強さ。人間の大きさ。世界を股にかけ、技を磨き続けた者にしか出せない風格・・・。

「ひとことでは言うのは難しいけれど、青木さんが持つ全体の雰囲気。藍も、経験を積んだらそうなれるのかなあ、って」。

深堀の、気迫のこもったプレーにも刺激された、という。
「良いプレーを見せてもらって、こんな機会はめったにない。ほんと、1打1打勉強させてもらいました」と、振り返った。

この経験を「アメリカで生かしたい」と宮里。
次週はまた、休む間もなく男子に挑戦する。
地元・沖縄県の那覇ゴルフ倶楽部で行われるアジア・ジャパン沖縄オープンで、藍スマイルを見せてくれる。



  • スタート前の開会セレモニー。前日の姫ポーズに続き、今度は女子選手みんなから投げキッスのプレゼント!!
  • ファイナル終了後、藍ちゃんのけなげなプレーに感極まった青木は、このあと藍ちゃんをギュっと抱きすくめた

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