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日本プロゴルフ選手権 2009

池田勇太が4打差の単独首位に

前半の10番で「ラッキースタート」。2段グリーンの下から6メートルのスライスラインをねじ込んだ。午前中に吹き荒れた横なぐりの雨風も、午後スタートの池田がティオフした12時33分ごろから次第に回復し、ほとんど小やみになった。

後半からはときおり陽も差し、まさに「ラッキー」な1日となった。
最終9番で、奧から4メートルの下りのスライスラインを沈めて、さらに下位を突き放す。
9ホールを折り返してからはチャンスが入らなかったり、微妙な距離をしのいだり・・・。
ずっとパーが続いていただけに、「最後にお土産をくれたのかな」と、ニヤリと笑った。

プロ転向後、初の優勝争いは、昨年10月のコカ・コーラ東海クラシックだった。
その前夜は、いつも強気な選手には珍しくあまり眠れなかったという。

しかしそれも「俺の性格上、いちど経験すれば大丈夫」と、ひとつ確実に壁を破った。
先週の「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」も、首位に立った3日目の夜はよく眠れた。
結局、78を打って16位に崩れた痛手もすでになく、「今回も寝れる寝れる、全然OK!」と、快活に言った。

通算8アンダーの2位と4打差は、2週連続の最終日最終組だ。
ただ今週は大会初日が中止となり、最終日は1日36ホールの長丁場となる。
「集中力が、体力が持つかどうか。天気のこともある」と、懸念材料を上げながら、本気の心配はしていない。
「若い分だけいいかもね」と、こともなげに言った。
「全員にチャンスがある。みんなが怖い存在」と警戒しつつ、プレッシャーとも無縁に見える。

もっとも近い位置から23歳を追いかけるのは、平塚哲二と甲斐慎太郎。
「平塚さんは今年すでに勝ってるし、甲斐慎(かいしん)さんも、去年1勝している選手。やっぱり怖い存在に違いない」。
そう言いつつも、平然としたものだった。

特に甲斐は、2003年の日本アマで準決勝に敗れた相手だが「そうだっけ?」と、すっとぼけた。
「どんな負け方をしたのかも覚えてない。どんな選手だったかなんて、へったくれもない。あのときはまだ高校生で、そういう風に人を見ないころ」。
当時のやんちゃ坊主そのままに、「とにかく、回りを気にせず出来りゃー(出来れば)いいんじゃない? 今年はずっとゴルフがいいから」と池田。

「1メートルなり2メートルのパットをひつこく入れられるようになっているから。トーナメントの(グリーンの)速さにも慣れて、今はめったにボギーを打たなくなっているから」。
2週連続で再び巡ってきた日本タイトルのチャンスも、今の自分をぶつける。それだけだ。
「戦い方も変えない。変えるとすれば、明日の服の色くらいか?」。
からからと笑った。


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