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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2011

8位タイの丸山大輔は「もう40歳、と言ってる場合じゃない」

大会のために、通常のパー5を517ヤードのパー4に設定した難しい15番で、「ラッキーもあった」。残り220ヤードの第2打を、2番アイアンでピンそば5センチにつけるスーパーショットでバーディを奪い、68にまとめて上がってきた。

午前中は大雨が降りしきる中で、粘りも見せた。
8番で連続バーディ。直後の9番は、運悪くカートレールで跳ねて、あわやOBすれすれのティショット。
両手で10センチあるかないかの長さを示して「こんな幅に、よう当たったな」と自棄になりかけた気持ちを「我慢して」、どうにか抑えてボギーに収め、次の10番でバーディを奪い返した。

「精神的なタフさが備わったかな。インド効果、・・・ということにしておきましょう」と笑うのは、このオフを利用して、参戦したアジアンツアーだ。

2試合ともインドでの開催は、試合に集中するというよりもまず、現地の文化に溶け込むのに骨が折れた。
まず「人口の多さ」。何かで列を作っても、順番を守るということはまずなくて、「日本で1人に抜かれるとしたら、インドではその10倍の10人に抜かれるということ。図太くいかなきゃダメなんです」。

食事はあらかじめ、予防線を張っておくことが肝心で、ぜひ見付けておきたいのは日本食レストラン。食事のあとは翌朝の朝食用に、お弁当を作ってもらうのがお約束だ。
そこまで徹底しても、まだ足りない。
「毎日、抗生物質をのんでおく」。

数年前に、やはりアジアを転戦していたときに、ミャンマーでひどい食あたりを経験した。「灼熱の中、何も食べれず、水だけ持ってラウンドした」。同じ失敗は繰り返さない。

ほかにもホテルのフロントで、待たされるなんてザラだ。「チェックアウトで30分待たされた」。そこで、キレないすべも覚えた。「もともと、イライラすることは少ないけれど。あの状況で30分、黙ってカウンターで待っていられるのは僕くらい」と、胸を張る。

そんな異国の経験が、この日の悪天候のプレーで生きた。

3位タイにつけた宮瀬と同じ40歳。時間差で報道陣に囲まれた丸山は、宮瀬とそっくり同じことを口にした。
「いかにこの場所に残って、上位で戦えるか」。
2年前に着手した本格的な肉体改造は、目に見えて効果を発揮して丸山も、体力面の懸念はほとんどない。
やっぱり、大切なのは「気持ち」。
丸山の場合は先の中日クラウンズで3日間、同じ組で回ったジャンボがお手本だ。
大会最年長の予選通過を果たした大御所は、「僕とほとんど距離も変わらず、ウソだろ、と」。たびたび度肝を抜かれた。
「小技のうまさはあいかわらず。ジャンボさんにもまだまだチャンスがある」と、64歳に驚異を感じずにはいられなかった。

「もう40歳、なんて言ってる場合じゃない」。
いくつになっても、頂点を目指す姿勢を忘れたくない。

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