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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2017
40台なかば! 丸山大輔と宮本勝昌もバーディ戦で発奮
44歳の宮本は、「今日は3日間で一番悪い。ティショットでも何回ダフったか」と、苦しみの中でも踏ん張った。
同組の若い塩見の伸びやかなゴルフも羨ましく「1回くらい勝ちたい」と、一方的な飛距離対決には敗れても、通算スコアでベテランの意地を見せた。
「明日までに練習をして、ピンにまっすぐ向けるような状態に出来ればアグレッシブになれる。優勝したい」と、気合いを入れた。
6位タイに浮上した丸山は、「昔はこういう大会で、ぼこぼこバーディが取れるタイプではなかった」。40代なかばの意識改革は、昨年まで2年戦ったチャレンジトーナメントにあった。
若い選手たちが明日のツアーを夢見て戦う“登竜門”は、復活を期すベテランの目を覚まさせるにも十分だった。
同トーナメントは、どれも2日間から3日間競技の短期決戦である。攻めなければ置いて行かれる展開の中で「バーディ合戦を覚えた」という。
メンタル面も、鍛え直された。
レギュラーツアーでは、帯同キャディに車の運転までしてもらったり「甘えすぎていた」。
チャレンジトーナメントはまだ出場権の持たない頃に、転戦していたアジアンツアーでの記憶を呼び起こされた。
「孤独感を味わいながら、ここでは何でも自分でやるしかない」。
初めは、誰が誰かも分からなかった若手選手の中にも「320ヤードを飛ばすやつがいたり」と、次第に親近感と畏怖の念を抱くようになった。「向こうからちゃんと挨拶もしてくれるし、顔も分かるようになって楽しくなった」と、丸山自身もすっかり若返って舞い戻った。
ギャラリーに無料のお弁当を配布して、集客数を飛躍的に増やす主催者もあらわれたり、地道な努力を目の当たりにして、ありがたみも増した。「チャレンジトーナメントも頑張ってくださっている」と、実感できたことも大きな収穫だった。
昨年のチャレンジトーナメントの賞金ランクで2位につけて、ツアーの出場権を取り戻した今季は「シード権を取り戻すことしか頭にない」という丸山。チャレンジからのUターン選手として、大々的に復活をとげることが、せめて昨年1年間の恩返しになる。