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ダイヤモンドカップゴルフ 2010

金庚泰(キム キョンテ)が単独首位に

特に午前中に吹き荒れた風にも、不動の心は揺らがない。スタートの10番でティショットを右のラフ。5番アイアンの第2打も、グリーンを大きくショートさせたが無敵のアマチュア時代に“鬼”と比喩されたその表情は、ぴくりとも動かない。

アプローチでべたピンに寄せた。
涼しい顔で、パーを拾った。この日はそんなホールが他にもたくさんあった。
「今日は風も強かったですし、スイングもあまり良くなかったですから」と、一応は顔をしかめてみせたが、難しいコンディションの中で、ボギーなしの68には同組でまわった矢野東も舌を巻く。
「キョンテはピンチもほとんどないし、余裕を持った11アンダー」。
2位とは5打差の単独トップは決勝ラウンドを前に早々と、混戦から頭ひとつ抜け出した。

学生時代から、プロに混じって百戦錬磨は一見、すっかりベテランの風格さえ漂うが、まだ23歳。
先週の日本ツアーは空き週だったが、母国韓国ツアーでは金の休暇を狙ったように、ビッグイベントが組み込まれている。
日本ではまだ優勝がないが、地元ではアマチュア時代にプロの試合を制したこともあり、家に帰れば一躍スターだ。

帰国のたびに試合に駆り出され、今週で7連戦目。
専属キャディの児島航さんに、「さすがに疲れたなあ・・・」と、ラウンド途中に溜息交じりにこぼすこともある。
つい言ってから、でも心配させまいと、児島さんに「大丈夫?」と顔をのぞきこまれたら、たちまち笑顔になって「大丈夫、僕はまだまだ若いから! 頑張るよ」と、小さくガッツポーズを作ってみせた。

今週と、次週の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」が終われば、ようやく2週間のオフ。あと10日ほど。行ったり来たりの8連戦も、トレードマークのポーカーフェイスで乗り切るつもりだ。

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