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東建ホームメイトカップ 2010
冨山聡(とみやまさとし)が「今年は絶対に逃さない」
スタート前に、キャディの高橋悦子さんと話し合った。
「今日はとにかく耐えていこう」と言って、それをみごとに実践出来たラウンドだった。
後半の3番パー3で、12メートルのパットは途中から急加速して縁に激突。10センチも跳ねたのが、上手い具合にカップインして3連続バーディを奪ったのもラッキーだった。
2アンダーは首位タイスタートに、「今日はもう、これで十分ですよ!」。初戦の好発進に32歳の童顔が、嬉しそうに輝いた。
練習場を経営していた叔父の影響で、本格的にクラブを握ったのは15歳のときだ。
「サラリーマンにはなりたくない」と伊奈高校(茨城)時代にプロ入りを決意するが、「それでも大学には行っておきたい」と、千葉県の中央学院大に進んだ。
4年時の関東学生ゴルフ選手権で連覇を達成。また同年の文部大臣杯・全日本学生王座決定戦は、同期の谷原秀人を下して優勝。
翌年の2001年に、満を持して念願のプロデビューを果たした。
2007年のチャレンジトーナメントで賞金ランクは2位につけて本格参戦したが、チャンスが生かせなかった。それでも、出場権のない時代は積極的にアジアンツアーや韓国ツアーに目を向けて、レベルアップをはかってきた。
普段は地元・筑波カントリークラブに拠点を置いて、近隣の筑波大で本格的なトレーニング指導を受けるなど、体力作りもぬかりない。
今季は、出場優先順位を決める昨年のファイナルQTはランク2位の資格で自身2度目の本格参戦。本人も、胸に期するものがある。
オフに、一緒にグアム合宿に取り組んだ今季初シードの額賀辰徳は、大学の後輩だ。
「先輩がモタモタしているから、僕が先に取っちゃいました」と挑発されては、黙っちゃおれない。
「・・・刺激になります。今年は絶対に狙っていきます」。
今度こそ、チャンスは逃さない。