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とおとうみ浜松オープン 2011

2週連続Vがかかる、河井博大が好発進

この日初日は、石川遼との同組ラウンドに、先週のお礼を言う絶好の機会もあえて自分から、話しかけたりしなかった。「遼くんのペースもありますし。相手のリズムを崩してしまっては」と、あいかわらず遠慮がちな39歳に、19歳のほうから声をかけてきてくれた。

ちょっぴり冗談交じりに、「インパクトボックスの効果が出てますね!」。
「そうやね」と、笑顔で答えたものの、ちょっぴり複雑な心境もあった。

プロ16年目のツアー初優勝を挙げた先週の日本プロ。大会週の月曜日に、「課題中の課題」というパッティングの向上を目指して、ゴルフの量販店で購入したのが石川の父・勝美さんが考案した「インパクトボックス」なる練習器具だった。

記者会見で、そのエピソードを披露したのは首位を死守した大会3日目。話が今をときめく石川がらみだっただけに、思いのほか反響を呼んだ。

実際に、非常に効果を上げたのは確かである。
しかし、それだけがクローズアップされてしまったのは、河井にとって痛かった。
他にも強調しておきたい要因はあったのだ。
本当は一番に、河井が言いたかったのはこのことだった。

「2週前から初めて使い始めた白いマレット型のパター。それがバツグンのコントロール性で、まさにボールがカップを探しにいくような感じで」と、この日は一転、クラブ契約先「テイラーメイド社」の広報につとめた。
「ティショットは白いドライバーに始まって、アイアンもボールがフェアウェーを探しにいく感じで。今日も信じられないくらい入ってくれた」とのコメントも確かに、けっして誇張ではない。

この日は8番で、87ヤードのアプローチを52度のアプローチウェッジで直接カップに沈めてイーグルを奪うなど、「奇跡的なこともあったり、うまいこと行きすぎて怖いくらい」。18番はバンカーからピッタリ寄せて、バーディ締めにも首をかしげて、「ほんとはフラフラ」。

涙の初Vは、「気持ちが高ぶって、先週の日曜日から、ほとんど睡眠が取れていない」。優勝争いの疲れも重なり、「今週は、ゴルフもパラパラ」。それでも、引き続きの好スコアは「遼くんと、良い緊張感の中でプレーが出来たこと」。

そして、5年シードのメジャーチャンピオンとしての自覚。
「先週からたくさんメールをもらったり、言葉を頂いたり」。本人の意識はこれまでと何ら変わらない。しかし、周囲の自分を見る目は確かに変わりつつあると、実感している。
「かなりの反響があって。そういうのは今までになかったことで。こんな僕がメジャーチャンプなんて、恐縮です。正直、自分でも戸惑っている今日このごろです」。

そんなこんなで疲労困憊の中でも、自ずと気合が入る。
「今週は恥ずかしくないゴルフ、締まりのあるゴルフをしなければ」。かつて味わったことのないメジャー覇者としての「緊張感」を、快挙につなげる。

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