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コカ・コーラ東海クラシック 2009
池田勇太は3位タイ
昨年はラフからグリーン右の池に入れた第2打を、今年は手前の池に打ち込んだ。
大きく左に曲げたティショットはカート道の、さらに奧の砂地の上。ボールの位置と、スタンスを取る足場に段差がある難しいライは、前方にテレビカメラのやぐらがそびえ立ち、救済を受けることも出来た。
しかし、池田は「そんなのやっても同じだろ」と潔く、あるがままの状態で打った。
やぐらを避けても、状況はたいして変わらないという判断で大胆にグリーンを狙ったが、「球を見失っちまって。どこに行ったのか、分からなかったよ」と振り返って苦笑いだ。
グリーン近くまで行って、ようやく大ギャラリーの悲鳴の理由を知ったが顔色をぴくりとも変えず、平然とドロップして4打目をピンに寄せた。
このほかにも前半の8番パー3では、グリーン奧ラフに落ちたボールをカメラクルーに蹴られるハプニングにも見舞われたが、すぐに次の9番で5メートルのバーディを奪い、前のボギーを取り返した。
また6番では、林の中から大きくフェードをかけて脱出したが、次のアプローチが寄せ切れず10メートルのパーパットが残ったがこれをねじ込んだ。
互いに一進一退の息詰まる攻防戦に、石川遼が「あそこでも、池田さんはきっと入れてくると思っていた。あんな状況でもボギーを打つと、僕に思わせなかった池田さんはやっぱり凄い。ぎりぎりのところまで、必ず粘ってくる」と改めて尊敬のまなざしを向けたように、難しい16番パー3では奧2メートルにつけてバーディを奪い、再び首位に返り咲くなど最後まで勝負を捨てず、一時は首位タイに踊り出て、石川にプレッシャーをかけ続けた。
ゲームを面白くした、という点では池田もまた石川や梶川と同じだった。
それでも18番は反省しきりで、「あそこに打っている時点でへたくそなんだよ」と、自分にダメ出し。
ダブルボギーの幕切れに、専属キャディの福田央さんにいたわるようにそっと肩を抱かれてコースを引き上げてきた池田は「俺も最後まで気合いが入っていたんだけどね。回りも伸びていなかったし、俺もチャンス到来かなとは思っていたんだけれど・・・・・・」。
賞金ランク1位と2位の戦いは、ひとまず石川に勝負を譲ったが「後半は1回しかフェアウェーに行ってないんじゃしょうがない」とさばさばと、「まあ、また次だな」と石川の若きライバルは気丈に前を向いていた。