記事

中村龍明が3位タイマスターズGCクラシック2日目

クラブメーカーのキャロウェイから、1本のパターを託されたのは先月の三菱ダイヤモンドカップ。いわく、「世界でまだ10本しかない。そのうちの1本がこれだ」という。
まだ、名前もないその新製品は、中村とスタッフでより完成を求めて微調整を繰り返し、ようやく先週、思いどおりに仕上がった。

「昨日、今日の好スコアはパターのおかげです」と、中村。

89年のプロ転向後、「行くなら今しかない」と、日本を飛び出したのは96年だった。
米ツアーに憧れ、ミニツアーで腕を磨き、マンデートーナメントにも挑戦。4試合のレギュラーツアーで本戦出場を果たしたが、さしたる成績も残せないままいつの間にか42歳を迎えた。

「もうそろそろヤバイ(苦笑)」と、帰国。
1999年についで、チャレンジトーナメント賞金ランク5位内の資格で今季、自身2度目のツアーフル参戦。これを機に「行ったり来たり」の生活を返上し、いよいよ日本に腰を落ち着ける。
覚悟を決めて、オーランドの家も売り払った。
それだけに2007年に賭ける思いは強かったが、今季ここまで7戦で最高順位は45位と、苦戦が続いている。

本来なら先週のチャレンジトーナメント「セガサミーチャレンジ〜ゴルフ北海道スイングの道〜」に出場しても良かった。
しかし、それまで連戦続きに、いちどリセットが必要と考えた。
思い切って欠場し、リフレッシュ。
パットの調整も完璧に、今週のマスターズGCクラシックに賭けたのだ。

主催の延田グループが、昨年11月にウッズも参加して行われた「マスターズGCドリームマッチ」で集まった収益金を「次代の選手を育てるために、有効に使って欲しい」と、ツアーに寄贈してくださったことから誕生した今大会は、万全の体勢で乗り込んできた。

「もちろん、明日は優勝しか狙ってません。流れさえかみ合えば」。
プロ19年目が本気になった。

中村龍明(なかむらたつあき)
1965年2月22日生まれ、愛知県出身。愛工大名電高校卒業後、18歳からゴルフを始める。1989年プロ転向。今季は、チャレンジトーナメントランク5位の資格で本格参戦。身長175センチ、体重75キロ。趣味はスキューバダイビング。


    関連記事