記事

Philip Morris Championship 1999

「ボギー打っても、きょうは自分が許せそう」桑原克典

桑原克典は、初日、4バーディノーボギーで、3位タイと好発進。「でも、もし、ボギー打ってもきょうは自分が許せそうな気がするよ。なんか、それくらい大きな気持ちになれるんだよね、フシギだね〜」と、ご機嫌だ。このご機嫌ぶりには、ある事情があった。

 実は桑原は、今週月曜日(26日)に、待望の赤ちゃんが生まれたばかり。晴れて父親になれた喜びと自覚は、桑原の心を浮き立たせていた。
 初日のスタートティでも、選手紹介でお祝いコールを受けて、「『あ〜ほんとうにパパなったんだ〜』、って照れるような、嬉しいような…。ジーンときました」という。
 喜びさめやらぬままのラウンドは、「なんだか、ボーっとして…何やってんだかわかんないような感じだった」という。
 「だから結果はどうでもいいから、とにかくゴルフをしよう、と思ってやったら、なんかよかったです。でも、もし、ミスしてもきょうは自分が許せそうな気がします。子供が生まれるって、それくらい大きな気持ちになれる。フシギですよね〜」 ロングホールをすべて取る、という「お手本のようなゴルフ」(桑原)で初日から快調に飛ばした。

 予定日はまさにこの日、今大会初日の28日だったが、誕生が2日、早まった。
 「ちょうどオフで、家にいたときに産気づいたんです。ボクを待っていてくれたみたい。生まれる前から、いい子なんですよね〜」と、メロメロ。入院してから誕生までの約4時間は、これまでにないくらい、ソワソワと不安な気持ちで過ごしたという。
「中からかみさんの叫び声が聞こえてきて、『大丈夫なのかよ〜』って落ちつかなくて。ゴルフより緊張したかも(笑)」
 2990グラムの、元気な赤ちゃんは、「目と口がボク、耳がかみさん」という男の子。
「いまは『かわいいかわいい』しかないけど、ものごころついてきたら、パパの振り見て…だから、ますますがんばっていかないとね」 今週の目標は、「ミルク代として4000万(優勝賞金)稼ぐこと」だそうだ。

関連記事