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日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2000

桧垣繁正との2回戦、佐藤信人が6アンド4で快勝

5アップで迎えた13番。佐藤が、ピン左奥13メートルのバーディパットを沈めてトドメの1アップ。
 そのとき、桧垣繁正の口元からは自然な笑みがこぼれていた。4番でも、佐藤に10メートルを入れられダウンしていただけに、「また入ったか…と思ったら笑えた」と全面降伏。
 「あれだけ入ると、なんだかシゲに悪くて…」と、つい相手に気を使ってしまう性格からか、勝った佐藤の方も、決まり悪そうに苦笑いを返すしかなかった。

 その瞬間、「入らないでくれ!」と心の中で叫んでいたという。
 5アップで迎えた13番。ピン左奥13メートルの「すごい早い下りのフックライン」のバーディパット。
 「こんなの入れちゃったら明日から入らなくなっちゃう、と思うと怖くなったんです」と佐藤。叫びは届かず、ボールは無情にも(?)カップに吸いこまれた。

 とどめの1アップを、ミラクルパットで決められた檜垣は、「また入ったか…」思わず苦笑いするしかなかった。

 佐藤のショットの調子は決して良くない。
 「先週のKBCのときから振り心地が悪く、タイミングもずれている。長いクラブに不安があって、切り返しで体がアグレッシブに行きすぎて、手が振り遅れている状態」と話す。
 ショットのブレを支えたのは、1回戦同様に「ここまで入ると異常事態」というパター。
 4番では、5メートルのバーディチャンスをはずした檜垣に対し、10メートルの下りのフックラインを入れてノックダウン。

 「ショットもまずまず、ショートゲームは完璧。ボギーを打ってくれない。安定感が違う。付け入るスキがありませんでした」と檜垣。敵も全面降伏だ。

 「今週はパットが入らないと試合にならない…。しかし、ここまで入ると、自分でも気持ち悪い。こんなので勝って、シゲにもなんか悪くて…」と佐藤は頭をかく。

 3回戦は「出場選手中、1番のマッチ向き」と呼び声高い谷口徹だ。昨年も決勝戦で惜しくも敗れ2位。過去の戦績は5勝2敗だ。
 「タイガーのようなガッツポーズが自然に出るのも、集中できているから。あれだけプレーに入り込めるのはすごいことです。谷口は“ミスター・マッチプレー”。明日はきっと勝てないと思う」早くも諦めムードの佐藤だが、「100点満点」というパットを支えに、現在賞金王の意地をかけ、ベスト4進出といきたい。

★ 9月2日(土曜日)は、7時30分から8選手4組による3回戦(18ホール)のあと、
  同日のうちに4選手2組による準決勝を行う。準決勝は、12時スタート予定。

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