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宇部興産オープン 2000
「明日は最後のチャンスだと思って…」
結果を出して師匠のジャンボに報いたい
高見の持病の首痛は、頚椎の5番目と6番目の脊椎が、つぶれていることによって起きる。
「特に、大きなクラブを力いっぱい振りまわすと、翌日は、痛みが首が動かなくなる」と毎年、1年のうち数週間は、その痛みに悩まされてきたが、今年はいつもと様子が違うという。
「普通なら、1、2週間で治るはずなのに今年は5月のキリンオープン3日目に棄権して以来、痛みがずっとひかない。いろいろ治療してもらってるんですが、まったく良くならなくて…2ヶ月前から通っているクリニックで打ってもらう痛み止めの注射で、ようやく少しずつ効果が出てきたみたいです」
高見は、95年のフィランスロピートーナメントでツアー2勝目をあげ、5年間のシード権を手に入れた。また92年に、賞金ランクによる初シードを獲得してから、一度も、はずれたことはない。
だが、今年はその首痛がたたって現在賞金ランク86位。5年シードも今年いっぱいで切れるため、今がまさに正念場なのだ。
師匠の尾崎将司も、「すごく、僕に気をつかってくれているのがわかる」という。
高見本人に、あれこれ悩ませることは言わない変わりに、高見の帯同キャディに『選手が苦しんでるときは、お前がもっと盛り上げないとだめだろう』などと進言してくれるのだと高見は話す。
「練習すると、翌日にはもう痛くてクラブが振れない…。首のせいで今年はジャンボさんのキャンプも行けなかったし、そのへんのモヤモヤした気持ちがあってすごくつらかった。ジャンボさん自身もこれまで苦しいときとかあって、その時期を乗り越えてきているだけに、僕の気持ちがすごくよくわかってくれるのだと思う。そういう心遣いが伝わってくるんです」
今週は、ティショットで刻むホールが多いため、「今の僕にあっているみたい」と高見。昨年のアイフルカップ初日以来の単独首位、そして、96年の全日空オープン以来の最終日最終組に「明日は優勝より、なんとか上位に入ってシードを確定させたい。最後のチャンスだと思って、精一杯頑張ります」好成績で、師匠の心遣いに報いたい。