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2008年度ジャパンゴルフツアー表彰式<2>
今年、初シード入りを果たした選手は13人。うち、3人がチャレンジ出身者だ。
昨年のチャレンジランク1位の松村道央は、今年の賞金ランク27位につけた。
また同8位だった山下和宏は、ランク42位に。
そして同5位の中島雅生は、ランク68位に食い込んだ。
これらを踏まえ「良い“先輩たち”がいるのでぜひその後を追いたい」。そう意気込むのが、今季のチャレンジ賞金ランキング賞に輝いた上平栄道(うえひらまさみち)だ。
5月の「有田東急 JGTOチャレンジ I」と9月の「サンロイヤルGCカップ」で2勝をあげて、来季ツアーの“シーズンパス”を手に入れた。
12月8日(月)に、都内のANAインターコンチネンタルホテル東京で行われたジャパンゴルフツアー表彰式。その壇上でJクラシックゴルフクラブ ノヴィル株式会社の久岡征治・代表取締役より、副賞の賞金50万円を。
また記念のトロフィは、自ら「静ヒルズトミーカップ」の開催を通じてチャレンジトーナメントを応援する中嶋常幸の手から受け取った。
永久シード選手に「よくやった!」とのねぎらいの言葉をかけられ、スポットライトを浴びた笑顔がいっそう輝く。
ようやくここまでたどり着いたという喜び。
そして、同時に「かすかに頭をよぎった」という若干の不安。
「このオフに、それを完全に払拭して来年の開幕に挑みたい」との思いを新たにした。
身長158センチは、おそらくいちばん小さなツアープレーヤーだ。
中学時代はバレーボール部に入ってみたり、大阪の桃山学院時代にはひたすら牛乳を飲んでみた…り。いろいろと試してみたものの、けっきょく徒労に終った。
プロスポーツ選手としては、決して恵まれているとはいえない身体。
だから、卒業後の進路にも大いに迷った。
しかし、熱い思いが不安を上回った。
「ゴルフへの思いは誰にも負けない。絶対にプロになってやる!」と、2001年に念願のプロ転向。
そのあとなかなか出場権に恵まれず、昨年の出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメントはサードステージで失敗。
トッププレーヤーに揉まれるうちに「自分を見失った」という。
体格の差を、いまさら嘆いても仕方ない。
「飛ばそうったって飛ばないんだから…。フェアウェイをキープして、グリーンに乗せる。それが自分のスタイル」。
分ってはいても、知らず知らず他の選手たちのプレーに気を取られ「基本を忘れてしまった」と振り返る。
周りに流されてしまった自分。
大いに反省して、そのときさっぱりと丸めた頭は「意外と楽チンで…。味をしめて今もこのまま」。
そう言って笑いながら撫でた坊主頭こそ、どん底から這い上がってきた何よりの証だ。
表彰式のあと、隣のパーティ会場に場所を移した懇親会。
「このオフに小技を磨き、身体をとことん鍛えなおします」。
その片隅でそう熱く語る上平に、かたわらの山下がすかさず声をかけた。
「一緒にトレーニングをしよう!」。
ともに近畿在住。
上平より一足先に、チャレンジトーナメントで得たチャンスを生かし、今年初シード入りを果たしたご近所プロからのお誘いに、ふたつ返事で応じた。
「先輩、よろしくお願いします!!」。
スーパースターの石川遼に負けじと、チャレンジの星たちが来季ツアーをいっそう盛り上げる。
※上平のほかに、チャレンジトーナメントランキングで来季の出場権を獲得したのは以下の5人です。
野仲 茂 (ランク3位)
飯島博明 (ランク4位)
清田太一郎(ランク5位)
額賀辰徳 (ランク6位)
内藤寛太郎(ランク8位)
※なお、ランク1位の上平には昨年の規定改訂で、来季ツアーの年間を通じた出場権が与えられますが、同2位以下の6人はひとまず来季の第1回リランキングまでの出場優先順位を得ました。
また同8位の内藤は、同2位の池田勇太がレギュラーツアーで初シード入りを果たしたことで、繰り上がって権利を得ました。
※ジャパンゴルフツアー表彰式とは・・・平均ストロークや平均パットなど、各部門別ランキングで1位に輝いた選手と、今年のシード権を獲得した選手をはじめ、関係者、ファンのみなさまなどゴルフを愛する多くの方々にお集まりいただき、今年活躍した選手を称えると同時に、みなさまに感謝の気持を申し上げる場として毎年、シーズンが終了する12月に開催しているものです。
当ホームページ上で計3回にわたってその模様を紹介しております!!
※2008年度ジャパンゴルフツアー表彰式<1>はこちらよりご覧いただけます