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丸山大輔が充実のオフ

普段、口数の少ない選手がドキっとするようなことを言い出した。「なんだか今年は自分が怖い」。
充実したオフを過ごしている証拠だ。

そしてそれは、昨オフの反動といってもいい。
「去年は、なぜかやる気が出なかったから」。
本格参戦した米ツアーから、帰国するなり張り合いを無くした。
「僕はたかだが2年間行っていただけなのに、それでもリセットするまでに時間がかかってしまった」。
おかげで昨年のこの時期は、アジアンツアーに挑戦するなどしたくらいで、ほとんど何も手をつけ仕舞いだったのだ。

そのツケは、開幕するなりもろに出た。
序盤から、1打差で予選落ちという日々が続いてさすがに危機感を感じた。
一念発起で、これまでにないハードなトレーニングに踏み切った。
すると効果てきめん。
9月のアジアパシフィック パナソニックオープンで、優勝を飾った。
トレーニングを開始して、ちょうど3ヶ月目の嬉しいツアー通算2勝目だった。

これにすっかり味をしめた。
目に見えて結果が出ると、がぜんやる気になった。
同時に、欲も出てきた。気持ちも前向きになった。

「1月からこんなに体を動かすのは初めて」という“異例”の調整で、早くも体は切れまくり、スイングも上昇傾向。
「今年はもっと優勝争いにも絡めるし、優勝出来るという手応えも出てきた」という。

さらに2つの大きな目標を掲げる。
ゴルファー憧れの地で開催されるメジャー2戦。
今年、セントアンドリュースで行われる7月の全英オープンは、3月のアジア予選から挑戦。
また、ペブルビーチで開かれる6月の全米オープンは日本予選から勝ち上がり、切符を手に入れようという算段だ。

東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた「ジャパンゴルフフェア2010」。壮大な計画を胸に秘め、そのなかびの20日(土)に、契約メーカー「タイトリスト」のブースでトークショーを繰り広げた丸山は、ファンの前で相変わらず人の良い笑顔を振りまきながら、「見た目は変わらないかもしれないけれど、中身は変わっていますから!」。
この人が、これほど自分をアピールするのもまた、めったにないことだ。

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