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初日を終えて男子は2位

この日12日(金)に開幕した『Hitachi 3Tours Championship 2008(日立3ツアーズ選手権)』。男子のJGTOチームの初日=DAY1の獲得ポイント12.5は、首位の女子とは0.5差。シニアのPGAには2ポイントリードだ。
初日=連覇に向けて、まずまずのスタート。

しかも、この日は他の2チームよりも見せ場が多かった。

まずはベストボールのダブルス戦で争われた前半9ホールに当たる<1stステージ>だ。
福嶋晃子&古閑美保の女子チームに1打ビハインドで迎えた最終9番。

石川遼が、残り175ヤードの第2打を6番アイアンで、奥から5メートルにつけたバーディパットこそ、チームワークのみせどころだった。

はじめ石川は「1メートルくらいフックする」と読んだラインはペアの矢野東も、助っ人に現れたその回控え選手の片山晋呉も声を揃えて「遼が思ったよりも、さらにカップ1個分外に読め」。

果たしてど真ん中からカップに沈み、17歳が大きくジャンプ!!
35歳の片山も、32歳の矢野もそれにつられた。
3人でハイタッチしながら、そこらを無邪気に跳ねた。

石川が振り返る。
「外れていたら、2メートルもオーバーしてしまうようなパット。普通の試合なら打てない…。プロのみなさんと一緒にラインを読むなんて普通ならありえない。一人では絶対に入らなかったパットでした」。

女子に同点の大きな1打に大喜び…!

もちろん先輩も負けていない。
続いてやってきたのは谷原秀人と宮本勝昌のコンビだ。
女子とタイスコアの4アンダーでやってきた9番で、谷原がカラーから10メートルのバーディトライ。

今度は5人全員で、ラインを読んだ。
改めてJGTOの団結力を知らしめたシーン。これがまたしてもカップに吸い込まれ、男たちが狂喜乱舞だ。

そして二度あることは三度ある。
この2008年のジャパンゴルフツアーで幾度も奇跡を呼び込んできた少年は、それでもまだ物足りない。
後半の9ホールにあたるシングルス戦の<2ndステージ>で、またしても石川がしてやった。
女子の横峯さくらに1打リードされたまま迎えた最終18番で、手前から7メートルを決めたのだ。

みごとタイに持ち込んでフィニッシュ。
この勢いに、辛くも首位に立った女子チームの面々も口々にこう言った。
「スター選手はやっぱり最後に何かやらかす。油断できない。明日の最終日は、石川くんをマークします」。

しかし、石川はひるまない。
なんせ背後には、心強い“仲間”がいるからだ。
この日、石川が貢献した5ポイントも、みんなで力を合わせて勝ち取ったもの。
特に前半のダブルス戦は「パートナーが良かったから」との石川の言葉に、矢野も「よしよし」と、嬉しそうに何度も頷く。

これぞ“団体戦”の醍醐味だ。
喜びも、悔しさもともに分かち合ってこそ。

キャプテンの宮本勝昌が、大会前から繰り返していたことは、「今回は、なんとしても勝ちたいんです」。
矢野東は最初、シニアVS女子VS男子の対抗戦に「楽しければそれでいいと思っていた」。
しかし「引き分けたり、負けたり、悔しい思いをするたびに、どんどん勝ちたくなってきた」。
初日の対戦で、プロ根性を呼び覚まされた。
いよいよ迎える最終日を前に、JGTOの男子チームは改めて連覇への思いでひとつになった。

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