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いよいよ今日から6日間の長い、厳しい戦いが始まる…。<ファイナルクォリファイングトーナメント(QT)>
かつて6日間の戦いを終えて上位に入ることが出来た選手の中で、「二度とここには戻ってこない」と言ってQTの会場を去った選手がいる。その後、レギュラーツアーで勝ち星を揚げ、今では賞金ランキングのシードを7年間保持し続けている。決して楽な試合ではないが、頑張ればツアーで活躍できるチャンスも残っているのがQTだ。
ツアーでは攻めていって、たとえ失敗して予選落ちしても次の試合がある。
だがQTでは違う。
一つ間違えば、翌年1年間の出場資格を得られない事になる。
ただ安全にプレーしただけでは、上位に食い込むことは出来ない。無理に攻めスコアを落とせば、元も子もない。
グリーンのセンターを狙っていき、ピンに付いた時はチャンスを逃さないように確実にバーディを獲っていくゴルフ。それが一番難しい。選手にとっては精神的につらい戦いとなる。
「変なプレッシャーがかからなければいいけど」と95年に日本プロに優勝している佐々木久行は、警戒する。佐々木は今年ツアーに22試合出場したが、予選通過は5試合にとどまり、シード権を喪失した。「この3、4年は厳しい状況だった。飛距離も出なくなった。そのため無理に力を入れて、かえって曲がってしまい…」とQTは覚悟していた。
それでもまだ諦めたわけではない。
「試合に出られなければ意味がないので、できるだけ上位に行きたい」と最後のチャンスにかける。
この日午前中はずっと雨が降り続き、気温も12度と冷え込んだ。連戦が続いている選手は、明日からの長丁場に備え休養したり、雨の上がった午後から練習に姿を見せるなど、おのおの調整にいそしんだ。
予選ラウンドは東・西コースをそれぞれ2回ずつ回り、72ホール終了時点で90位タイまでの選手が決勝ラウンドに進出できる。108ホール目のグリーンに意気揚々として上がって来られるのは、果たして…。