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ABC チャンピオンシップ 2006

佐々木久行「今週、ここで決めなくちゃ!」

今大会初日。朝のパッティンググリーン。佐々木の4つ前でスタートした、練習仲間の秋葉真一が1番でティショットを打って歩き出すなり、心配そうに声をかけた。

「佐々木さん、大丈夫なんスか!?」。

その言葉に片手をあげて、軽くうなづいてみせた佐々木。
今週月曜日に風邪を引いてしまった。

前日水曜日には、練習もできない状態。丸1日寝込んだ。
高熱はないのだが、鼻水が出る。咳が出て、喉が痛い。
後輩は、それを気遣ってくれたのだが実は、そんな風邪の症状以上に気がかりなことがある。

現在、賞金ランク75位は93年の初シード入りから守ってきた、ツアー出場権獲得のピンチなのだ。

先週のブリヂストンオープンでは初日2位。一発逆転を狙った。
しかし3日目に、同じ組の手嶋多一が63をマークしたのを目前にして「落ち込んじゃいましたね(苦笑)」。
結局75を打って、最終日には16位に沈んだ。

ツアー通算2勝目をあげたのは1995年の日本プロ。
当時、同大会優勝の“特典”は10年間シードだった。
2005年までその適用があったが、資格が切れた途端に苦しい思いを味わっている。

それでも昨年は、賞金ランク60位で辛くもシード権を守ったが「今年は、去年よりも厳しいかもしれない・・・」と、表情を曇らせるが41歳は諦めない。

先週、同じ40代の真板潔が2位、井戸木鴻樹は3位タイに食い込んで、シード復活に王手をかけている。
佐々木もぜひ、追随したい。

この日3日目はパットが冴えて通算11アンダー、単独首位で最終日を迎える今週こそ絶好のチャンスだ。
「・・・僕も、中年パワーで頑張りたい。今週、ここで決めなくちゃ!」と、気合を入れた。

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