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東建ホームメイトカップ 2011
高山忠洋が単独首位に
早朝は雨上がりの穏やかな天候が、一変したのはまさにこの2人がティオフした瞬間だった。あっという間にどす黒い雲が上空を覆い、嵐のような突風が選手たちを翻弄した。
「葉っぱがいっぱい飛んで来るわ、グリーンは小さなゴミがいっぱい落ちてボールが跳ねちゃうわ。本当に大変でした」と、高山。
石川は「今日はパーでもナイスプレー。1か2オーバーでもよく耐えたというくらい、難しいコンディション」。その中で2人、気を吐いた。
互いのプレーに刺激を受け合い、粘った攻めた。
高山は「自分が8バーディも取ったなんて知らなくて。上がってから、そんなに取ったんだ、と」。2番から3連続。間に4つのボギーのあとで、12番から4連続というみごとなスコアカードも途中、チェックする余裕もなかった。
「強い風の中で、出来る限りのことを一生懸命やろう」と、踏ん張った。
岐阜県の法仙坊GC所属で愛知県在住。石川にも劣らぬ、大勢の地元ファンの声援と、かたわらの石川の存在を励みにした。
「遼くんは気合の入ったレベルの高いショットを随所にしてくる」。
昨年12月のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」以来の同組対決。
「今日はマスターズ帰りのアプローチをやったり、遼くんはあれからまたどんどん大きくなっていると感じた。負けたくないと思った」。
強い風に幾度もボールが流される苦しい展開は、「感性で打って行く」。
13番パー3では「180ヤード」と計算して握り、ピンそば20センチに絡めた8番アイアン。
「僕はアイアンの高低差で打てるタイプ。こういうコンディションでは番手じゃなくて、球の強さでコントロール出来る選手が強い」と次の14番は第2打で143ヤード先のグリーンを捉え、10メートルのバーディパット。
石川はべたピンのチャンスにつけていた。
「遼くんの闘争心にも負けない」と、先に気迫でねじ込んだ。
この日68のベストスコアで、初優勝をあげた2005年以来の大会2勝目を捉えた。
1打リードも33歳は、「遼くんが僕より1枚も2枚も上手。僕がやるべきことはたくさんある」。19歳の胸を借りるつもりでツアー通算4勝目に挑む。