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ブリヂストンオープン 2010

賞金レースの主役2人が2位タイに!

賞金レースの渦中の2人が、同組で一歩も引かぬ攻防戦を演じた。賞金ランクトップの金庚泰(キムキョンテ)と同2位の藤田寛之が、通算9アンダーは2位タイで並んで決勝ラウンドに進んだ。

いま絶好調の2人に挟まれた大御所は、たまったものではない。金も、脱帽した藤田の小技。
「藤田さんは本当に凄い。ミスしても絶対にアプローチで寄せるし、パットも決める。特に藤田さんのパターは日本一です」と、金が褒めれば本人も「確かに、それくらい拾いまくったし、入れまくっている」と苦笑い。

その藤田も「キョンテと僕のプレースタイルは似ている」と言ったように、金のゴルフもまたしかり。グリーン上で、ジャンボ尾崎が悲鳴を上げる。
「お前ら、いったいどうなってんだ!」。
チャンスも、ピンチも、ひとつ残らず決める2人にはさすがのジャンボもお手上げだ。

そんな金も初日は精彩を欠いた。ツアー通算2勝目をあげた先週の日本オープンは、それまで国内外を含め9連戦というスケジュールに加えて、難コースでの神経戦に体力も、精神力も使い果たして、「昨日は朝、体が重くて起きるのさえつらかった」。

今年はオフに、1ヶ月の兵役についたため、トレーニングも手薄になった。

毎日1時間のランニングは欠かさなかったが、それでも例年に比べると調整不足を痛感している。
「それに僕は、もともと体力がないので」と、苦笑する。

復活の鍵は睡眠だ。ホテルに帰って、夕方は5時半から6時20分まで遅めの「お昼寝」をして食事をとって、夜はまた11時から朝7時20分までぐっすりと眠った。
体の切れがすっかり戻った。ボギーなしの65は、鬼のゴルフでスコアボードを駆け上がった。

藤田は、相変わらず課題のスイングに悩み「本当にどうにかしたい。出口が見えない」と、愚痴をこぼしながらも、6バーディ1ボギーの67に、「アプローチとパットで、スコアを作った」。

かねてから言っていた。
「僕は、賞金王にはあまり興味がない」。
まして「僕みたいな選手が賞金王なら日本ツアーはやばい」とも。

だが周囲の期待が高まる近ごろは、「自己分析だけで終われない立場に自分はいる」ということを、痛感しないではいられない。

慣例として、歴代のキングが受けてきたマスターズからの招待状を待ちわびる、気の早いファンもいて「具体的にそんなことを言われるようになって。期待に応えないわけにはいかないという気持ちにさせられる」。

41歳の小さな巨人はたくさんの人々の夢を背負って今週も、24歳のライバルとともに2週続きの優勝争いに加わった。

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