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サン・クロレラ クラシック 2003

<上位選手>『これこそが本当の優勝争い』本戦の18番で1打リードしながらプレーオフに敗れた丸山大輔

しばらく、声が出てこなかった。表情はこわばったまま。心持ち、青ざめたくちびる でつぶや いた。「・・・悔しいというか・・・情けないです」。
初優勝のチャンスをみすみす逃した。2位と1打差トップで迎えた18番だ。その時点 で、前組の 手嶋がいくつでホールアウトしたか、分からなかった。攻めるべきか、守るべきか。 「少し、 気持ちの整理がつかないまま、行ってしまった」。とりあえず、バーディ狙いで打っ たティシ ョットは、「力が抜けて」右ラフへ。第2打は、木が、スタイミーになってピンが狙 えなかっ た。フェアウェーに出した残り94ヤードの第3打は、ピッチングウェッジでグリーン 奥のカラ ー。アプローチで、3メートル半のパーパットが残った。入れれば優勝。「・・・何 か、 重い空気 が体にのしかかっているように感じました」無情にもボールはカップを通過して、丸 山はガッ クリと頭を垂れた。「言葉も、ありません・・・」。
この日最終日は1日中、プレッシャーとの戦いだった。7番で2メートルのバーディ パットを50 センチもショートさせ、8番で1メートルのパーパットを外した。「9番は、もっと短 いのを・・・ 」連続ボギー。「パッティングでずっと手が、動かなかったんです」。
そんな状況ながらも一時は単独首位に立ち、17番では土壇場のチャンスをもぎ取っ て、ライバルたちを一度は諦めさせた丸山だったのだ。1打リードの18番で、ボギー を打ってのぞんだプレーオフ。「気持ちが切り替えられていたような、いないような ・・・。ただ、これで勝てなかったら当分、苦労するぞ、とは思ってた」。
これまで、最終日に追い上げてのV争いは何度かあった。しかし最終日、トップから のスタートは今回がはじめてだった。「これこそが本当の優勝争い。これを今後に生 かせればいい」最後は自分に言い聞かせるのが精一杯だった。

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