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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011

シード復活の佐藤信人は「僕に似た子が出てくるかと思うと」

5月の新規ツアー「とおとうみ浜松オープン」で、石川遼とのプレーオフを制して04年以来のシード復活を果たした小林正則など、数ある復活劇の中でも、今年はなんといっても、佐藤信人だ。

今季の獲得賞金1540万円は、自身4戦目となったこの“最終戦”カシオワールドオープンで予選落ちを喫したので、まさに一発大逆転となった。

序盤の2戦は、いずれも予選落ちで迎えた3戦目は10月の日本オープン。
優勝争いに末に、3位に食い込んだ。賞金総額2億円の日本一決定戦で、3年ぶりのシード権復活を決定づけた。

あのとき、激戦を戦い抜いて、引き上げてきた佐藤は報道陣を前に思わず涙していた。
負けた悔しさではない。
大ギャラリーの声援と、またこの舞台に戻ってきたという感動と、それらがまぜこぜになって、泣かずにはいられなかった。

日本プロなど、ツアー通算10勝目の実力者がシード落ちを喫したのは2009年。勇んで参戦した欧州ツアーでパッティングのときに手が動かなくなるイップスと、深刻な腰痛を併発して、満身創痍で帰国した。

後遺症は長く残り、同時に出場権すら失った。
今年41歳を迎えて「今後の人生を、どうしようか」との不安を一気に吹き飛ばす大活躍だった。

賞金ランクは67位で表舞台に戻ってきた今年、本人にはもうひとつ、嬉しいニュースがある。
同い年の妻・裕子さんが、結婚11年目にして来月17日に待望の第一子を出産する予定だ。
「もう、今から怖くて仕方ない」と、夫。
「実は女の子と分かっていて。女の子は父親に似るとよく言われるでしょう? 僕に似た子が出てくるかと思うと」と、おどけて作った苦笑いも、喜びと充実感に満ちていた。

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