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武藤俊憲が2年連続のトータルドライビング賞
飛んで、曲がらない。まさに誰もが理想とするゴルフを1年間貫いたのが武藤だった。ダントツの25ポイント獲得で、2年連続の受賞を決めた。
初優勝は2006年。あれからさらに飛躍の原動力となったのは、昨年からスタートした肉体改造にあった。きっかけは、2007年。開幕早々、ウィルス性の肝機能障害にかかって約1ヶ月を棒に振った。
「やっぱりプロは体が資本」。改めて、そう痛感させられた武藤は小林宏平トレーナーについて、いちから体を作り直した。
「当時は、ランニングをさせても全然ダメ。素人の走りでした」と、小林さん。
毎日全身は筋肉痛でバリバリに。「何度も吐きました」と、本人もよく顔をしかめていたものだ。
それから1年。
今ではどんな厳しいメニューも楽々とこなし、今年11月のレクサス選手権では2打差の3位タイにつけた3日目に、荒療治に踏み切った。
「久しぶりに走りませんか」と切り出した小林さんに、口では反発しながらも100メートルダッシュを3本を難なくこなした武藤。
そして迎えた最終日に、丸山茂樹を逆転してツアー通算3勝目を飾った。
最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」では2年連続3度目の出場にして、大会3度目の最終日最終組を迎えるなど、最後まで息も切らさずV争いで盛り上げたのも、日頃の努力のたまものだ。
ツアー1飛んで曲がらないショットも、鍛え上げられたしなやかな肉体あってこそ。
丸山や、田中秀道、谷口徹ら、トッププレーヤーにも一目置かれる31歳。
ツアーの中核として、今後ますますの活躍が期待されている。
※トータルドライビング賞受賞の武藤には、記念のトロフィと副賞として、サッポロビール株式会社さまより『エビスビール1年分』 が贈られました。