どの選手もまず真っ先に、難しいコースセッティングや、沖縄の強い風について口火を切るが、この人はやっぱり相変わらず自分ばかりを責めている。

「いや、僕は風とかコースの難しさというより、それ以前の問題です」。

ただしショットに関しては、「こんだけ吹いてたら、ちょっとは風のせいにも出来るけど」。その部分ではちょっとは自分を甘くも見られるけれど、問題は今季ずっと課題を抱えたままのパッティング。

吹き付ける風は、確かにグリーン上にも影響はあるが、「僕の場合は完全にストロークの問題です。パットが曲がる。思うように打てない。打った瞬間に、どれだけ転がるかも分からない。今年はずっと、こんな感じで」と、ただでさえ胃の痛くなるような難コースにいて、それ以上に自分自身のゴルフにも、悩み続けている。

「今日は風が昨日の半分くらいの勢いだったし、とにかく予選通過を目指してやればいい、と思ってプレーしましたけど」と、半分諦めたように言うが、通算５オーバーは首位と４打差。

そういえば昨年は、前週のキヤノンオープンに続く２週連続Ｖがかかったこの日本一決定戦でも、この選手はボヤキ続けて裵相文(ベサンムン）とのプレーオフに臨み、けっきょく負けはしたけれど、単独２位につけていたっけ。

• 久保谷 健一