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キヤノンオープン 2012

久保谷健一は今年もボヤキ節で

昨年は、9年ぶりの復活優勝も、「もう思い出せないし、あんときのゴルフも忘れちゃった」と、家族に祝福された感動のシーンもこの1年で、すっかり消し飛んでしまった。
「夏頃から毎週、『ここから頑張る』と言い続けて、もう秋になってしまった」と、うなだれた。

スイングに悩んでいるのは、いつものことだ。
昨年の優勝だってそうだった。
「僕なんか」とボヤキ続けて頂点に立ったが、それも深い悩みの中でもどうにかスコアを作ることにも力を割けたからで、「今年は年齢のせいなのかなんなのか。今までどおりのゴルフが出来ない」と、スコアメイクもおろそかに、夏以降はずっと予選落ち続きだ。

獲得賞金も、まだ1000万円にも届いておらず、賞金シードにも黄色信号が灯りだした。
いよいよ連覇がかかる今週になって、尻に火がついた。
「なんとか、やるしかなくなったけど、意外と自分の中ではまだそれほどダメージを感じていないことに気がついた」と、余力を残している自分にも気がついた。

「悪い中でこそ真価が問われる。これで投げるか、まだ分からないと思ってやるか」と、決死の覚悟で挑む。

「どこか1個良くなると、連鎖反応で良くなることはよくある。宝探しみたいなもの。ヒントがひとつあれば熱くなるものも出てくると思う」と、不振の中にありながらも昨年覇者は、一縷の望みも捨ててはいない。

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