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日本オープンゴルフ選手権競技 2011
池田勇太が「勝てば恩返しになる」
池田勇太は、地元・千葉県出身。自宅から車で30分のここ鷹之台カンツリー倶楽部は、「小学生の低学年から回っている。どこになにがあるか、ほとんど知ってる」。我が庭だ。
東北福祉大3年の2006年には関東学生での優勝経験もある。
青春時代の思い出がぎっしり詰まったコースで、義理人情に厚い若大将が、燃えないわけがない。
「ゴルフ場にも知り合いが多いし、地元っていうのは勝ちたい気持ちが強い。ここで勝てれば恩返しの一つにもなる」。
7月のサン・クロレラ クラシックで今季初勝利をあげて以降は苦戦が続いている。勝負どころで左に行きがちのショットには今週、良い助言もあった。
火曜日の練習場で、レッスンを受けたのは池田をジュニア時代から知る倉本昌弘。
通算30勝の永久シードプレーヤーの指摘は的を射ており、「いいアドバイスをいただけた」と感謝する。
「あとはドライバー次第。合ったものがまだ見つからない」と、あいかわらずこの日も練習後は、まっすぐに移動式クラブ工房の「サービスカー」にこもって、微調整を重ねた。
クラブのマッチングも含めて、「完璧な状態とはいえない。だけど、絶好調だからといって、勝てるわけではないからね」とは、昨年まで2年連続で最多の年間4勝で、経験済みだ。
「今できることで最大限の努力をして優勝というものに、前進していくだけ。あとは、その中で、どれだけ勝てる流れに持っていけるかどうか」。
深く生い茂るラフも、狭いフェアウェイも、鍵は「我慢強さ」と歯を食いしばり、池田が難コースで今季2度目の勝機をうかがう。