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初日は今年も日本チームが1ポイントリード!!

7月1日(金)に韓国は、釜山郊外の慶南金海市にある正山(ジョンサン)カントリークラブで開幕した日韓対抗戦「KBミリオンヤードカップ」は、初日のフォアサムストロークプレーを終えて、日本が韓国に1ポイントリードの3対2と、まずは勝ち越し「去年と同様に、上々の滑り出し」と、キャプテン・アオキも連覇にむけて、気分上々。

この日、勝利を持ち帰った最初の3チームは、まさにコンビネーションの妙だった。「昨年も出た選手と、今年初めての選手を組ませてみた」とのキャプテンの采配がばっちりハマった。まして先陣を任された2人がしっかりと、最初の勝ち点1を持ち帰ったのがなんといってもデカかった。

39歳のベテランながら、チーム戦は初体験の河井博大。5つ年下の小田孔明に癒される。
「だって僕は、ほんとうに最後まで緊張しっぱなしで。こんなに緊張するものか、と」。
そんな河井の気持ちを察した小田が明るい物言いで繰り返す。
「大丈夫ッスよ!」。
「どんな場面でも、笑ってそう言ってくれて。メンタル的にも、孔明の笑顔にすごく助けられた」と河井は言う。

そして「プレーもめちゃくちゃ噛み合っていた」と小田。
「河井さんは絶対に曲がらない。パットも絶対に外さない。僕は安心して寄せて、あとはただ見てるだけで良かった」と小田が先輩に尊敬の念を寄せれば、河井も「孔明は絶対に逃げない。まっすぐにピンを狙ってチャンスを一杯作ってくれたから」と、感謝しきりだ。

普段の日本ツアーを通じても、「初めて一緒に回った」という2人。思いがけない好相性で、チームスコアは金大玹(キムデヒョン)と洪淳祥(ホンスンサン)の韓国チームに3打差をつける4アンダーの圧勝に、“マッチの鬼”はますます血気盛んに「明日はバーディをいかに取るかのゲーム。僕はそういうのが得意だから」。
2日目はフォアボールのストロークプレーに向けても、小田はやっぱり頼もしかった。

続く第2組のペアは、さらに圧巻だった。1つのボールを交互に打つという難しいゲーム方式でなんと6アンダーの圧勝をした。
藤田寛之と松村道央だ。
27歳が、殊勝なコメント。「失敗しても、絶対に藤田さんが決めてくれる。僕は安心して、思い切りプレーをさせてもらえた」と、神妙に語る松村に、41歳が横目でチラリ。

「僕は初めてのチーム戦で、スタートからホントに緊張していて」と、さらに初々しく続けられたら、隣の藤田もさすがに黙っておれない。

「道央、ホントに(緊張)してた??」
「してましたよ!」。
「いやぁ、見えなかったよ」
「いや、してましたって!!」
「でも、その割にスタートですごい良いショットをしてたよねぇ?」と、大先輩にとことん突っ込まれたらあとはもう、苦笑いで黙り込むしかない松村だったがそんなやりとりを聞くだけでも、どれだけ2人が相性抜群だったか、想像もつく。

そしてこの日最後の勝利チームは、同級生ペア。2004年に出場経験のある近藤共弘が、初出場の高山忠洋を引っ張るような。表向きこそそんなゲームプランも“同期のサクラ”は終始、和気藹々。

序盤こそ、伸び悩んで苦戦したが、2人のんびりと焦らない。揃ってのほほんとした素振りに、逆に慌てたのか。対する李丞鎬 (イスンホ)と朴相賢(パクサンヒュン) の韓国ペアは、7番でダブルボー。さらに8番から2連続ボギーで自滅。

終盤は17番で近藤がバーディを奪って「勝利を確信した。僕らの息はピッタリだった」(近藤)。
「でも、僕の息は上がってた」(高山)。
一応は、高山が経験者の近藤を立てて、「近藤選手は実力者。僕は任せる気持ちで、ただついていけば良かった」と終始、持ち上げるたかわらで、近藤が苦笑いで「ウソです、ウソ、僕ら一緒に頑張ったでしょ!!」と、微笑ましい突っ込みで、2人一緒に高笑い・・・・・・!!

「リードしている分、絶対的に僕らが有利」と、翌2日目にむけても近藤の楽観主義はあいかわらずで、高山もまた、「明日はもういちど、近藤選手とのペアで、きっとまた彼が引っ張っていってくれます!」と、これにはさすがの近藤も呆れ顔で、「まだ言ってるよ・・・」と、苦笑いでつぶやいた。

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