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マンシングウェアオープンKSBカップ 2005
高山忠洋と伊沢利光が、急浮上!藤田寛之が通算15アンダーで辛くも首位をキープ
高山は64でまわって2打差の2位タイに浮上した。通算12アンダー、単独3位に猛追した伊沢は、「ほんとうに、お久しぶりです!」。今年、相当に出遅れていた歴代の賞金王が、ようやくV戦線に加わった。
開幕戦の東建ホームメイトカップ(44位)のあと、つるやオープン2日目に84を打って予選落ち。次の中日クラウンズは、練習日にくしゃみをした拍子にぎっくり腰。ひどい痛みに欠場するしかなく、先週の日本プロも初日75、2日目78を打ち、静かにコースを去っていた。
深刻な低迷ぶり。周囲の心配をよそに、本人はこれを冷静に捉えていた。
「より上の高いものを取ろうとするには、同じ姿勢では届かない。いちど、大きくしゃがみこまないといけないでしょう? それと同じで、いまはステップアップする前なんだと思って、シュンとするより、いろんなことに取り組んで、出来る限りのことをしよう、と」。
昨年8月から契約を結んだ、メンタルトレーナー岡本正善氏のアドバイスを真摯に受け止めていた。
先週から、長尺パターで戦っている。
はじめは腰のことを考えて、なりふり構わず握った46.5インチのそれは、思った以上に効果があった。この日はまず2番で15メートルもの長いチャンスを決めると、3番で左8メートルをねじこんだ。続く4番は、左から6メートル。前半の3連続バーディで、波に乗って66をマークした。
「順回転で、転がってくれる。高速グリーンでも思ったより問題ないし、みなさんにもオススメしたいくらい。もう短いのに戻すつもりはない。ずっとこれでいきます」と、宣言するほどだ。
今週は練習日にふと思いつき、ドライバーとスプーンのシャフトをきゅうきょ変えた。今年のオフにみっちりと取り組んだトレーニングの効果で、ヘッドスピードが1.5m/秒上がって「いまはマックスで55.5。速くなった分、前のシャフトでは若干、振り遅れが出て右にプッシュしていたから」。
さらにパワーアップしたスイングにあわせて新調した武器で、安定したショットもよみがえった。
さまざまな取り組みがようやく実を結び、前日2日目は実に4試合ぶりの予選通過。
すぐに和子夫人に電話して、「開幕から2ヶ月ぶりの給料が入ったよ」と報告した。
さらに3日目の上昇でいよいよ、1年10ヶ月と9日ぶりとなる優勝のチャンスがでてきた。
「なんとか、“射程権”に入れたんでね。明日も今日のようなゴルフができれば」。
最終日にはぜひ、優勝報告がしたい