日本からやってきた身長158センチの小さなプロが、タイで存在感をアピールだ。ワンアジアとジャパンゴルフツアーの共同主管で行われている「タイランドオープン」で、２日目に65で回って首位とは４打差。

灼熱の国は「慣れている」。オフ合宿の地に選んだのは、もう５年前。毎年、この時期は仲間と連れだって、３週間ほど腰をおく。

今年は１月末に、仲良しの山下和宏とやってきた。開催コースのここタナシティゴルフ＆スポーツも、３回まわった。そのとき、たまたま大会のスタッフが、会場の下見に来ていて、上平の後ろから、カートで近づいてきたスタッフが、上平の顔を見るなり驚いた。

「上平さんだとは思わなかった！」。

まさか、そんなところでプロゴルファーと遭遇するとは夢にも思わなかったスタッフは、遠目に見て「タイにも凄く上手いジュニアがいるんだな、と」。近づいてみたら、それが上平だった。
この笑い話はすぐに、谷口徹の耳に伝わり、そのあとさっそくと上平は、谷口からのメールを受け取った。
「ジュニアに間違われたらしいやん！」。

こんなふうにからかわれるのは、もう慣れっこだ。身長が低いことのコンプレックスなど、本人にはもともとない。
むしろ「ネタにされてなんぼでしょう？」。広島県出身だが、いまは大阪に住まいを構える関西人は、いじられてなんぼと、高笑い。

「コースも他の人よりは分かってる」。
うだるような暑さも、すぐに順応出来た。身体は小さいけれど、しぶとさと、たくましさなら自信がある。
「今日も、危なげなく回って来られた」。
首位とは４打差の圏内なら、確かに「ネタにされたもん勝ち」である。ここタイから今度は初優勝のネタを、大々的に発信出来そうな勢いだ。

• 上平 栄道
• 山下 和宏
• 谷口 徹