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久保谷健一 『暗いコメントばかりで申し訳ないけど・・・』

3rdラウンドのターンベリーの天候は、朝のうちは厚い雲に覆われていたものの、
昼前には夏のような太陽が照りつける陽気となったが、昨日と同じように、
もしくはそれ以上に海からの風が吹き付け、その強さは時間が経つにつれて増していった。

全英オープンの決勝ラウンドは2サム。
全37組中、34組目の14;30にスタートした久保谷も、その風に翻弄された1人。

「あれだけショットが悪かったらねぇ・・・。」
ため息交じりに出た言葉だった。

今日の久保谷は、1バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの75でラウンド。
トータル2オーバーで14位タイに順位を下げた。

「やっちゃいけないミス、判断ミスだらけ。途中で、“オレ、何やっちゃってるの?”って感じだった。」
ショットに不安があり、そのことで頭がいっぱいになっていて、風の計算まで考えることが出来なくなっていたと言う。
「距離いくつ? − じゃぁ○番アイアン。」
こんな単調なキャディとの会話になってしまっていた。
「12番ホール以外は、よく考えていればパーを取れないわけではなかった。」
“防ぐことが出来たミスを防げなかったことが、今日の敗因”と悔やんだ。

予選ラウンドと決勝ラウンドの気持ちの違いを問われると、
「今はただ自分のゴルフを良くしたいだけ。どうやったら上手く出来るかだけを考えて
ゴルフをしている。成績は後から勝手についてくるものだから。」

「今の僕は、世界のレベルには到底追いつかない。今日はビジェイ・シンとのラウンドだったけど、調子が悪くても上手くスコアをまとめてくる。今の僕には不安材料が5つも6つもあって、
ここ(ターンベリー)に来ても1つも解消されていない。日本の皆さんが僕に期待されるのは痛いほど良くわかるけど、でも・・・ねぇ。。。
でも、この苦しい状況を乗り越えることができたら、きっと勝つことが出来ると思う。」

ここターンベリーに入ってから、少し弱気な、少しネガティブなコメントが多い久保谷だが、
今日は珍しくこんなコメントをしている。
「自分は、ゴルフの組み立て方と精神力は、自分で言うのも何だけど、一流に近い。
精神力は相当強い。」
だからこそ、今の技術的な苦しみを乗り越えれば勝つことが出来ると感じているのだろう。

今回の全英オープンでは、“最低限の責任を果たしたい”と久保谷は考えていた。
「予選通過はもちろん良かったけれども、自分を支えてくれているメーカーさんやスポンサーさんに対して、最低限の責任は果たすことが出来たと思っているので、自分にとってはそっちの事の方が大きい。でも申し訳ないけど、“もうこれ以上は望まないで”っていうのが本音。」

明日は?との質問をされると、「雰囲気はやれそうな気がするんだけど、今の状態だとアンダーパーは難しいかも。でも耐えることはできるんじゃないかと・・・。」

最後は、久保谷らしい、こんな締め方をした。
「暗いコメントばかりで申し訳ないけど、これが今の自分の実情です。
でも、いつかこの苦しみを乗り越えて、必ず勝ちますから。」

実は久保谷は、昨年のサン・クロレラクラシックから一度も予選落ちをしていない。
今回の全英オープンでも予選落ちをしなかった。

久保谷が暗いトンネルを抜けるのは、もう真近だ。

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