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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2011
宮里優作が滑り込みの出場権
先週のカシオワールドオープンの最終日。
1打差の2位から出た宮里は、2番のバーディで高山忠洋をとらえると、4番で2メートルのバーディチャンスを決めて、一度は首位に抜け出した。
そのあとも獲って、獲られて・・・。高山忠洋と一進一退の激しい一騎打ちは、宮里も「上がり3ホールが勝負」と読んだとおり、終盤までもつれ込んだ。
高山は、スリリングな1日をして「お互いに牽制しあっている感じだった」と振り返ったが、宮里は「朝一はアドレナリンが出ていたが、3ホール回って落ち着いた。良い緊張感の中で回れた」と、負けても充実感で一杯の顔をして「今日は楽しかった」と言った。
高山の勝因が18番のイーグルなら、宮里の敗因は17番。左ラフからの第2打は「高いボールを打とうとしたら、フライヤーになって飛びすぎてしまった。それが残念」。
奥のラフに打ち込んだアプローチを寄せきれず、パーパットも打ち切れなかった。がっぷり四つの戦いも結局、最後は2打差に破れて、「1打のやりとりが勉強になった」と宮里は言う。
「自分が良くて、相手が良い中で、そこでの精神面。今回の経験は次に生きる」と負けてなお、自分を分析する冷静さを残して上がってきた。
大ギャラリーに紛れて、当初は観戦の予定がなかった父母の顔を見付けて「今日は良いゴルフを見せることが出来たと思う」と、いっそう満足そうに頷いた。
負けて、大きな2位でもあった。今大会開幕直前の宮里の賞金ランキングは
52位。今週のゴルフ日本シリーズJTカップの出場にはほど遠い順位から、一気に資格のある25位内に浮上。
ランク22位の資格で、今週は4年ぶり2度目の頂上決戦に立つ。
「ラッキー。もう1回チャンスをもらえた。次はさらに楽しく。予選落ちもないので、良い経験をさせてもらえば」。
前週に取り逃がした初Vを狙う機会をさっそく得て、胸も高ぶる。