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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011
高山忠洋が単独首位浮上
あいかわらず、強い風が吹き荒れる条件で、68とスコアを伸ばした。通算9アンダーは、前日の宮里優作と入れ替わって2打差の単独首位に。
折り返して10番。570ヤードのパー5は残り256ヤードの第2打を本人曰く、「激フォロー」の風に乗っけてピン4メートルにつけるイーグルを奪うなど、イケイケゴルフ。
めっきり気温が冷え込むシーズン終盤は、先週もダンロップフェニックスで棄権するなど、もともと持病のある左手首痛が、ひときわ堪える。
「それを青木さんはどこかで見ていらっしゃったのか」。
やにわに声をかけられたのは、今週火曜日。
朝のレストランで、「高山、手首を見せてみろ」。名医よろしくしげしげと患部を“診察”すると、見事に言い当てた。
「インナーマッスルが弱いんだな。もっと鍛えないといけない」。
もちろん、それは専属トレーナーもお見通しで、オフはそこを重点的に鍛えてきたのだが、シーズンも終わりを迎えるころにはやはり、一番弱いところに影響が出てくる。
「痛みを少しでも軽減出来るようなフォロースルーの抜け方など」。
「こういうふうに振るんだ」と、手取足取り教わった。
青木のアドバイスは見事にスコアに現れた。
「構えたときのフィーリングも冴え渡っている」というほど、パッティングも好調なら、まさに鬼に金棒。
今年は開幕戦でツアー通算4勝目を挙げた。そしてまた、終盤に来て、今季2勝目のチャンスを迎えている。初日から2日間を同組で回った小田孔明は、この日イーブンパーに終わったが、逆転の賞金王に向けて虎視眈々。
それはそばで見ていても分かる。
「まだまだ諦めてないですよ、あの男は」と高山。今大会は、賞金レースのほかにシード権争いもかかっており、人生をかけた男たちの戦いは、あらゆる思惑がひしめき合いながら、いよいよ決勝ラウンドを迎える。
「僕もとにかくてっぺんを目指して頑張ります」。負けじとツアー通算5勝目を狙っていく。