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アジアを目指す選手たち
賞金王の石川遼は、先の欧州とアジアの対抗戦「ザ・ロイヤル・トロフィ」で対戦したロバート・カールソンに今春、高校卒業後の進路を聞かれて「ゴルフ一筋」と即答し、また「オフは作らない。365日、ゴルフをしていたい」と語ったように、今年は昨年以上に米ツアーに積極的に足を伸ばす予定だ。
石川のように、試合勘を維持するためにも、実戦中心のオフを計画する選手が近ごろますます増えてきた。
そういう意味でも、2月から開幕すつアジアンツアーはかっこうの舞台。1月13日から4日間の日程で行われたQスクールに、日本選手が大挙して参加したのもそのためだった。
やはり昨年、Qスクールから権利を獲得してみごとシード権を手にした平塚哲二(=写真上)は「アジアは日本ほど整備されていないコースも多く、日本に帰ってきてからも“俺はあのコースで、あのグリーンで戦ってきたのだから大丈夫”と思えた。それが大きかった」と語ったように、開幕3戦目の中日クラウンズで2年ぶりの復活優勝を飾り、さっそくその効果を示したものだ。
まして、アジアは欧州との共催試合がいくつかある。
「そこで勝てたらさらに世界が広がる。今年も出来る限り出場してチャンスをつかみたい」と意気込む。
そんな平塚の旅仲間がまた増えた。
同様にシード権を獲得した丸山大輔に加え、今年はQスクールの資格で6選手が参戦する予定だ。
日本勢としては最高のランク3位で出場権を得た今井克宗(=同2番目)は、通算2勝の日本ツアーからはもう3年も遠ざかっており、心機一転アジアからの復活をもくろむ。
矢野東(=同3番目)は「Qスクールのトップ通過を目指していたのに」と、11位タイでの権利獲得にも満足することなく、新天地での初勝利を狙う。
さらに久保谷健一(=同下)が、18位で今季の出場権を獲得した。
25位タイに食い込んだ野上貴夫は、96年の「ミツビシモーターズ・サウスウッズオープン」での優勝経験もある思い出のツアーで、昨年の日本ツアーでシード落ちをした鬱憤を晴らしたい。
アジアンツアーは2007年から参戦。しかし昨年、シード落ちをした清田太一郎は、プロ5年目の28歳・内藤寛太郎とともにランク28位につけて、出場権を取り戻した。今年こそ、日・亜両ツアーのシード入りを達成したいところだ。
アジアンツアーは2月4日に、タイのスワンゴルフ&CCで開幕する「アジアンツアーインターナショナル」からスタートする。