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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2011

金庚泰(キムキョンテ)が4打差の単独首位に

ザ・ノースカントリーゴルフクラブの難しさは、なんといってもグリーン上にある。目に見えない細かいアンジュレーションは、吹き付ける強風も相まって、なおのこと読みづらい。

2008年に行われた「The Championship by LEXUS」の4R以来の同組対決になったドンファンは75を打ち、市原弘大も1日2つのダブルボギーで、スコアを崩した。
ムービングデーの3日目は、上位選手が伸び悩んだ。

その中で賞金王が、貫禄のゴルフを見せた。
連続ボギーのあとの13番パー5で、さっそく嫌なムードを払拭した。

残りは「206メートルだった」という第2打は、秒単位で追い風、向かい風とクルクルと向きを変えた。
「その中でスプーンなら、安全に池を越えられて良いと思ったのですが」。
専属キャディの児島航さんは、それだと大きく奧に打ち込む危険があると言った。

17度のユーティリティに、握り替えたショットは会心の当たり。
ピンそば70センチのイーグルで、嫌な流れを一掃した。

そして上がり2ホールは、前日に引き続いて再び連続バーディで魅せた。
17番は下り傾斜の7メートルを読み切った。
そして最終18番は、「入れるつもりもない」。18メートルもの長いバーディパットが、カップに沈んだ。
穏やかな性格はいつものように、飛び上がって喜ぶということは今回もなかったけれど、胸の前で小さくガッツポーズを握り、柔らかな笑みでギャラリーの歓声に応えて見せた。

「この2ストロークで、明日への気持ちが楽になりました」とは言いながら、4打差の2位にはドンファンと市原弘大と、そして石川遼が控える。

石川との同組は、石川がプロ転向後のツアーに限っていうなら過去8度の対決で、6勝1敗1分と、今のところは金のほうが分はいいが、金には自分が石川より上という意識はさらさらない。

「その日のコンディションが良い人が、勝つと思っていますので」と金は言い張る。
「遼くんとはお互いの存在があるからこそ向上出来る、良い関係だとは思う」といつものように、良きライバルであることを強調した。

それに、もちろん明日の敵は石川一人だけではない。

前日2日目に、ふと気が向いてドンファンと、市原の今季のデータをチェックしてみた。「その選手の調子の良さは、主にパーオン率とパット数で見る」という金は、「2人ともとてもコンディションが良い」と、判断した。
「2位タイの3人とも強い選手です。明日も慎重にプレーしたい」と、最終日こそ警戒を緩めない。

先のミズノオープンは、19歳の黄重坤(ハンジュンゴン) に、今季初Vをみすみす許した。同じ韓国勢として、後輩たちの活躍はもちろん嬉しい限りだが、一人の選手として言うなら悔しいのは当然だ。
「明日は優勝を目指してプレーします」。あまり強気なことを言わない選手の口から珍しく、強い意志がみなぎった。

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