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ANAオープンゴルフトーナメント 2013

連覇がかかる、藤田寛之

昨年覇者は師匠の手を借りながら、いま修復作業中だ。賞金王として、自覚も新たに迎えた今季は、春先に肋骨に損傷が見つかり、出遅れた感は否めない。トレーニングも、調整もままならないまま自身2度目のマスターズに出場。

そのあとも日本勢としてはただひとり、海外メジャーのフル参戦を果たしながら、すべて予選落ち。また日本ツアーでも、今季全10戦のうち、無類の安定感を誇る選手には本当にらしくない、すでに5戦で予選落ち。これから秋に向けて、巻き返しを図る藤田が救いを求めたのがやっぱりこの人。

前のフジサンケイクラシックでは、1週間のうち3日間も、芹澤信雄の指導を仰いだ。開幕直前の火曜日と水曜日には、芹澤自ら会場の富士桜カントリー倶楽部に駆けつけ、火曜日は練習ラウンドについて歩き、水曜日は雨の練習場でつきっきりだった。

「申し訳ない」と、弟子は頭を下げながらも今は、それより「たとえばお医者さんに、先生なんとか治してくださいと、すがるような心境です」。
一度、頂点を知ってしまった者だけが知る苦しみ。
「一番上になったら、落ちていくばかりですから。落ちて行く自分をどこまで食い止める事が出来るか。今はそれとの戦い」と、恩人の手を借りながら、懸命に踏ん張っている。

今年は、21歳の松山英樹がぶっちぎりで賞金レースを突っ走り、昨年の賞金王としては、なんとしても追いかけていきたいところだが、それも今やランク2位との差でさえ1億円近くもあけられているという状況では「みんな英樹は特別だからというような見方をしているようだけど。それではあまりにも情けない」と、他の選手に奮起を呼びかけてはみるものの、「今の自分が言っても説得力が・・・。もちろん自分も含めて、今からアクセル踏んで、少しでも英樹に近づいていかなければいけない」と、責任感と焦燥感を隠さない。

「とにかく、早く今季1勝を」と、藤田。
昨年は、年間3勝目を達成した思い出の輪厚で連覇をかけて、賞金王が巻き返しを図る。

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