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〜全英への道〜ミズノオープン 2014
ホストプロ! 鈴木亨がバースデーウィークに狙う大逆転V
アイドルグループで活躍する長女の愛理さんが、ブログで父親の誕生日を報告。「お父さんの子でよかった、とか、またデートしよう、とか、お父さん大好き♡♡♡とか・・・。そんなことを書いてくれていて。それを読んだファンの方たちから“愛理ちゃんを生んでくれてありがとう”とか、そんなメーセージが僕のところに届くんです」と、デレデレと「娘がこの仕事をしていなかったら、載らないようなユーチューブがネットに出たり」と、父の仕事にも波及効果が。
当時、現役選手としては最長の18年連続のシード権も、2011年に失ったまま。復活にむけて、「自分のスイングを見つめ直す」と取り組むオフは、愛理さんのお父さんを紹介するという目的で、ネットに掲載されているという96年のノベルKSBオープンの動画を見て「このときは良いスイングをしていたな、とか。このときのイメージに近づけてみよう、とか」。
当時、ツアー通算3勝目のVシーンが、何よりの教材になっている。
「おかげでいまは昔に近いスイングが出来ている」との確信が持てたのは、開幕3戦目の中日クラウンズ。同じ組で回った深堀圭一郎のキャディをつとめる柿沼基介さんは以前、鈴木のバッグを担いでいた時期もあり、「彼は見る目があると思っている」と、信頼のおける人から「今年は良くなっていますよね」と褒められればおのずと、自信も増してくる。
「年を取っても飛距離は落ちていない」と胸を張るショット。この日は13番のパー4で、123ヤードの2打目を52度のウェッジで、直接入れるイーグルを奪うなど魅せ場も作った。
「あとはパットがもう少し入ってくれれば楽勝で、あと3つ4つは伸ばせる」。ミズノ契約プロの選手であれば、誰もが思うことだが、鈴木も「この大会にかける思いは優勝が大前提」と、最終日は実に8打差から狙うのは、恩返しのツアー9勝しか見えていない。
昨年は、ランク7位に入ったチャレンジトーナメントは9月のドラゴンカップで最終日にチャレンジ新記録となる61を出して大逆転Vを飾った。「明日も、またあのときのようなゴルフができたら嬉しい」と、ひそかに劇的Vをにらむベテランのホストプロ。「いつまでも娘が誇れる父親でいたい」との思いを支えにコースを歩く。