記事
The Championship by LEXUS 2009
2週連続優勝がかかる、鈴木亨
アイドルグループ「℃-ute」の長女・愛理さんは仕事が忙しく応援には来られなかったが、いったん千葉の自宅に帰った今週はちょうど祝日だった前日の3日(火)にわざわざ朝5時に起きて、再び今週のトーナメントに向けて出発する父親を送り出してくれた。
妻の京子さんと長男の貴之くんと、家族3人に「行って来ます」と声をかけることが出来たのは、本当に久しぶりのことだった。
「今週も頑張ってと言ってくれて…。改めて、勝つって本当にいいって思えた」と、しみじみと振り返る。
こうなったら余韻が消えないうちに、いっそ2週連続でこの喜びを継続させたいところだが……。
「そうなんですよぉ。何より回りの期待が大きくて。次も勝っちゃってよと、みんなに言われたのですが、そんなに簡単にはいかないぞ、と」。
なんせ先週は、2004年以来5年ぶりの優勝だったのだ。
「そんなにまたすぐ勝てるくらいなら、みんなを5年も待たさないって!」。
そう突っ込みを入れながら、本人にもそのつもりがなくはない。
今週の「The Championship by LEXUS(レクサス選手権)」の舞台となる茨城県の大利根カントリークラブは、一筋縄ではいきそうにない。
ラフは真冬の足音も聞こえ始めたこの時期にもかかわらず意外と深く、特にグリーン回りは外すとすっぽりと埋もれ、上からのぞきこまないとボールが見つけられないほどだ。
また待ち受けるグリーンは、適度なスピードに加えて傾斜がきつく、昨年は韓国のS・K・ホが通算15アンダーで優勝したが、「今年は2桁行かないのでは」というのが今のところ、大方の予想だ。
むしろ鈴木はこれに目をつけた。
「一度は、我慢の展開で勝ってみたいんですよ」。
というのも、これまでの8勝は、すべて10アンダー以上の大量スコアで勝っている。
尊敬してやまない中嶋常幸とのプレーオフを制した2002年のJCBクラシック仙台は13アンダーだったし、前回2004年のアコムインターナショナルも13。
まして、1994年の日経カップは20アンダー。2000年のカシオワールドオープンにいたっては、なんと21アンダーをマークして、かつては“ボンバー”の異名を取ったのが若かりしころの鈴木だった。
息詰まるバーディ戦も小気味よいが、40歳を越えた今こそ堪えて堪えて頂点に立つというのもぜひやってみたい。「先週の勢いに乗って、頑張りたい」と鈴木。
ツアーをひっぱるベテランとしての自覚もある。
今週は、賞金ランクのトップ3が世界ゴルフ選手権に出場しているということもあり、「やっぱり、ギャラリー数は気になる」。だからこそ、「僕らが盛り上げなければ」という責任感も自然と沸いてくる。
「遼くんも勇太くんも、晋呉もいませんけど、他にも良い選手は一杯います。ぜひ見に来てください」と、アピール。
そしてもちろんプレーでも、存在感を示したいところだ。