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近藤共弘は「藤田さんの圧勝は僕のおかげ!?」

昨年に引き続き、2年連続の代表入りをした藤田寛之には、この日韓戦「KBミリオンヤードカップ」が始まる前から憂鬱なことがあった。

「近ちゃんが、やたら僕を“キャプテン”にしたがっていて・・・」。
2004年大会以来、久しぶりの代表入りを果たした近藤共弘には、ある思惑があった。
確かにチームには、藤田がこれまでにも何度も、そう言って固辞してきたように、「すでに日本には、青木功という偉大なキャプテンがいる」。

しかし、サッカーの日本代表もそうであったように、同じプレーをする仲間の中にも、選手たちをまとめる役割の人たちが必要なのでは?

「青木さんが“ザック”なら、“長谷部”はやっぱり藤田さんでしょう?」と近藤。
つまり、サッカーにたとえれば、青木は監督的な役割で、チームキャプテンは「やっぱり最年長の藤田さんだ、と」。
もっとも、もともとあまり人前に立って、采を採るタイプではないだけに、「勘弁してよ・・・」とずっと繰り返していた藤田だったが、とうとう担ぎ上げられたのが、大会初日はスタート前の開会セレモニーだった。

国歌斉唱で気持ちを高ぶらせたメンバーたちは、開会式終了直後にさっそく円陣を組んだ。その中央に、藤田を押し出し「よろしくお願いします!!」。

メンバーたちは、藤田に「気合の入るひと声」を求めていた。
「ここで断ったら、ダメでしょう」と、渋々ながらも声を張り上げた最年長メンバーは「行くぞぉ!!」「おぉ〜!!!」。

これでいっそう、心はひとつに。
そして、藤田は松村とともに、この日は韓国チームを併せても、ベストスコアの6アンダーで、プレーでもチームに大いに貢献した。

「あの円陣で、藤田さんにも気合が入ったのは間違いない。僕のおかげ!」と、得意げに胸を張った近藤は、最年少メンバーの石川にこっそりとオーダーしてある。
「黄色の腕章を持って来い、と」。
サッカーは日本代表で、長谷部誠選手もつけて戦ったチームキャプテンの証。全員揃って韓国入りした今週火曜日には石川が、近藤にそっと耳打ちしたものだ。
「近藤さん、例のもの・・・ちゃんと用意して来ましたよ!」。
「いつ藤田さんに使ってもらおうか・・・」と、小道具の準備も万全に、日本チームがますます一丸となって連覇を目指す!!

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