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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Lake Wood 2011

河井博大(かわいひろお)がホールインワンを達成

打つ直前に、持ち替えた6番アイアン。「替えて良かった」と300万円のビッグボーナスにも大喜びだ
前半の193ヤードの17番パー3は、最初に持った7番アイアンでは「ギリギリ、グリーンに届くか届かないかというところ」。
しかも左側はすぐそばにOBゾーンが横たわり、余分な力が入って危険を招く怖れがあった。
直感で、6番アイアンに持ち替えた。「ひとつ大きめのクラブで打って、奧の傾斜で戻すイメージ」と漠然と、描いたとおりにボールは約3メートルのところで軽く弾んでからコロコロと戻ってきて・・・・・・。

「それがまさか入るとは!!」。

目をシロクロさせつつ、公衆の面前では取り繕った。
「いや、あれは実はイメージどおりの攻め方でして」と、見栄を張って笑わせた。

KDDI提供の賞金300万円の対象ホールに、「デカイですよね」とニンマリと、「あのときクラブを持ちかえって良かった」と、自身ツアーで3度目の快挙にも気前よく、ギャラリーに向かって放り投げたボールは、小さな男の子の手に収まった。

今年は5月の日本プロで悲願のツアー初優勝を挙げると、7月には初のメジャーにも挑戦した。しかし、全英オープンは猛烈な風の中でのラウンドに、「自分でも気付かないうちにスイングがむしばまれていた」。

帰国してすぐに調整に臨んだものの、8月の関西オープンはコースの元所属プロとしての活躍が期待される中で熱中症にかかって無念の棄権をするなど、なかなかままならなかったがここにきて、徐々に上向いてきた矢先だった。

「ラッキー」な1打もあって、通算9アンダーは12位タイに浮上。
「これを機会にまた徐々に優勝争いに加わりたい。苦労人のスター性を生かしたい」。
いくつも逆境を乗り越えながら、また次のツアー通算2勝目を狙っていく。

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