ツアーメンバーの代表選手がゴルフ伝道師となって全国各地を回る“ゴルフ伝道師の旅”。今年は、鈴木亨、小田龍一、山下和宏、藤田寛之、兼本貴司の５選手が既に全国の小学校をまわっっているが、今年の最後を締めくくるのは池田勇太だ。
池田が訪れたのは、山形県酒田市の市立松原小学校。

池田は前日７日の夕方に山形入り。空港の到着ロビーに姿を現した池田は度胆を抜かれた。
“ようこそ酒田市へ。池田勇太選手、歓迎”の大きな横断幕か掲げられ、地元の小学生と親御さん、関係者など１５０名ほどが大歓迎をした。
無数のカメラのフラッシュと拍手、そして大歓声を受けた池田は、少し照れた表情をしながら、「明日、楽しみにしています。よろしくお願いします。」と頭を下げ、宿泊先に向かった。
池田は、「おいおい、大変なことになっちゃってるよ。明日、どうなっちゃうんだろう・・・。」
大歓迎を受けて嬉しいことはもちろんだったが、同時に少しの不安が見え隠れしていた。

翌日は朝から晴天に恵まれ、気温も午前中の時点で夏日を記録した。
「山形って、夏でももっと涼しいイメージだったんだけどなぁ。」
池田は、大学時代の４年間を宮城県で過ごしている。山形県に隣接する秋田県や青森県には学生時代の遠征でたびたび訪れていたが、山形県は今回が初上陸だった。

もはや定番となった３タックの白いパンツに爽やかなブルーのシャツで松原小学校に足を踏み入れた池田は、「お〜、なんだか懐かしい感じがするなぁ。」としみじみと校舎を眺めた。
松原小学校は昭和４０年代に建てられ、時に中学校として使われたりしていた時期もあったそうだが、現在は全校生徒５４９人を抱える市内一のマンモス校だ。
校舎の老朽化に伴い、数ヵ月後から立替え工事が始まるそうで、工事期間中は広い校庭も半分のスペースになってしまうという。「早く立替え工事が終わって、また子供達がのびのびと遊べる広さに戻ってもらいたいですね。」と話してくれた丸藤教頭先生に、池田は校舎の中を隅々まで案内してもらった。
松原小学校は、昨年の北京オリンピックで陸上の走り幅跳びの女子代表として出場した池田久美子選手の母校でもある。
学校では“本物のことを実際に経験、体験することをモットーにしている”そうで、子供達に広い視野を持ってもらいたいとの思いがある。
スナッグゴルフにおいては、クラブ活動として年に３０回程度の活動をしているという。
今野校長先生は、「今回は、日本のトッププロの池田勇太選手にお越しいただけるということで、子供達に本物の経験、体験をさせることが出来て、これほど嬉しいことはありません。子供達も数週間前からウズウズ、ワクワクしているみたいで、今日が来るのを心待ちにしていました。」

１０時半過ぎ、いよいよスナッグゴルフの実技講習が始まった。
実技講習に参加したのは、５年３組の３３人と、クラブ活動をしている１９名の合わせて５２名。
まずはデモンストレーションで、池田がフルショットを披露。子供達は、高々とまっすぐに飛んでいたボールの行方を追いながら、「うぉ〜、スゴ〜イ！！」と感心。
その後８チームに分かれて、パット、チップショット、アプローチ、フルショットをそれぞれ練習をした。池田は８チームをくまなく回り、「おっ、いいぞ！」、「よし！ＯＫ！！」、「お〜、上手い、上手い」と声を掛けながら、手取り、足取りの熱血指導。見守る先生方も顔負けの振る舞いだ。
実技講習の最後は、池田と代表選手によるＰａｒ３での実践だ。
代表選手は、さとうようた君（５年生）と、まちたふれあちゃん（４年生）。２人ともクラブ活動でスナッグゴルフは経験済みということで、２人のティーショットを見た池田は、「オレ、負けちゃうんじゃないの？負けちゃったらシャレにならないよ。」と言わせるほどの腕前だ。結果は、ともに２つのハンデをもらったようた君とふれあちゃんがバーディ、池田も見事に１オン１パットのバーディであがり、３人仲良く同スコアだった。

実技講習を終えた子供達からは、「初めてスナッグゴルフをやったけど、すごく楽しい！」、「難しかったけどまたやりたい」、「なかなか的に当てることが出来なかったけど、楽しかった」、「池田プロに教えてもらえてとても嬉しかった」等々の感想が次々に述べられた。
池田も、「皆さんと一緒にスナッグゴルフをすることが出来て、すごく元気をもらいました。みんなスナッグゴルフに興味を持ってくれたみたいでとても嬉しかったし、とても楽しかったです。今後もみんなでチームを作って、もっともっと楽しんでもらいたいと思います。今日はありがとう。」と挨拶。

池田と子供達は実技講習を終え、待ちに待った給食の会場であるランチルームに足早に向かった。

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