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つるやオープン 2010

田中秀道が5打差の5位に

昨年、弟子を祝福した大会で、今度は師匠が優勝争いに加わった。第2ラウンドを終えて首位と5打差の通算5アンダーは5位タイから、1日18ホールの決勝ラウンドに臨む。

この2日間は、この2人とのラウンドに、力をもらった。
怖い者知らずの若武者、池田勇太と不惑の戦士の丸山茂樹だ。

勢いに任せて攻める池田。
そのかたわらで、「ショットの状態は65点でも、パーを拾い、スコアメイクに徹する」丸山。

「両方を目の前で見られたことが、凄く勉強になった」と田中は言う。

特に、丸山とは境遇が似ている。
丸山も、米ツアーから故障とスランプを持ち帰った。

久しぶりの同組ラウンドで、「丸山さんほどのスーパースターでも、苦しんで来られたんだ」と改めて、その苦労を思いやった。

長く苦しみ抜いた末に、昨年の最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、国内では10年ぶりとなるツアー通算10勝目をあげた。
「僕もショットイップスがあって。みんなはいいなあという気持ちでやっていた部分もあったけれど、そんな僕にも出来ることはある。丸山さんを見ていて、そう思うことが出来ました」と、田中は言う。

昨年は、怪我による特別保障制度を行使しながら、シード権の確保に失敗。ファイナルQTランク9位の資格で起死回生を狙う今季は2戦目にして、こうしてチャンスのある位置につけて復活を匂わせる。

まして2001年に優勝経験がある今大会は、昨年の最終日に18番ホールで、弟子の富田雅哉の初Vを見届けたといういきさつもある。
師匠の目から見ても、富田のポテンシャルや実力は折り紙つきだが、まだまだそれを持てあまし「足踏みをしている」という忸怩たる思いは拭えない。
だからこそ、勝って言いたい。
「“お前は何をやってるんだよ”と。そういう先輩になれれば最高ですね」。
後輩に威厳を示すツアー通算11勝目は、手の届くところにある。

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