先週の全米オープンで、決勝ラウンドに駒を進めた２人が揃って好スタートを切った。久保谷健一は、長旅から帰国したその日の夜更かしが、奏功した。

火曜日は、アメリカから成田へ。羽田で乗り継ぎ、岡山へ飛び、そこから自らハンドルを握って、広島県は福山市内のホテルに着いた。20時間を超える移動でへとへとなのに、仲間たちと相も変わらず酒宴をあげて、寝たのは１時。
「４時間しか寝られない」。ボヤキつつ、ベッドに入るも時差ボケで、２時間もすれば目が覚めた。

朦朧とした意識の中で、それでも翌水曜日のプロアマ戦にエントリーしたのは大会が、５年ぶりに戻ってきた会場の、ここＪＦＥ瀬戸内海ゴルフ倶楽部を思い出すため。
「すっかり忘れちゃっていたので･･･」。

おかげでコースの特徴を、改めて頭にたたき込めたし、その夜は疲労困憊。時差ボケの影響も受ける隙もないほどに、「丸10時間ずばっと眠れた」。

すっきりと目覚めたこの日の大会初日は、ティグラウンドに立っても狭いフェアウェーも、深いブッシュもさほど気にしなかった。
「先週よりは、まだ楽に打てる」と最高峰のメジャーを経験した余韻がまだ体の奧に残っていたことも、良かった。

午後からの強風も、後押しした。「いつもは狭いところに曲がり幅を気にして打っていく。でも今日は、風の方に集中しなくちゃいけなくて。コースの狭さも頭から消えていた。ショットの不安を感じることも少なくやれた」という。

５アンダーは、やはり全米帰りの石川遼と並んで３位タイに、「十分です。大した怪我もなく出来た」とマイナス思考の選手には珍しく、納得のコメントも飛び出した。

上位４人に入れば、今年２戦目のメジャー切符が手に入る。全英オープンは過去２度目の挑戦で、２００９年には重度の腰痛を抱えながら、初日に１打差の２位タイと大健闘。日本予選突破組としては、ただひとり決勝ラウンドに進んで、日本勢の面目を保った。
「行きたいですけど･･･。先週の全米でずたずたになっているんでね。いまはただ、今週４日間をいかに乗り切るかということしか頭にないです」と、話したが･･･。

• 久保谷 健一
• 石川 遼