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河井博大は「来年はもっと優勝争いを!」

悲願のツアー初優勝がメジャーVという栄誉に男泣きに泣いた5月の日本プロ
男泣きに泣いた5月の日本プロゴルフ選手権。プロ16年目にして掴んだ悲願のツアー初優勝で、一気にブレークしたのが河井だ。

それまでの道のりは、2度のシード落ちを繰り返したばかりか、一時は出場権すら失って、師匠の田中秀道に「ゴルフをやめます」と言い残してしばらく音信不通となるなど紆余曲折を経て、ようやく掴んだ頂点に「苦労人の星」との異名を取った。

「・・・いやいや、ほんとは全然、苦労なんかしてないんですよ」と本人は謙遜するが、師匠にさえ「河井には頭が下がる」と言わせたほど。どんな不遇の時代にも、血のにじむような努力は欠かしたことがなかった。

「趣味は素振り」と言うほどの練習の虫も、苦労の日々がいよいよ報われた2011年。また、年の最後には部門別ランキングの「パーオン率」で、69.48を記録してランク1位に輝いた。

2006年に続く2度目の受賞は周囲からも「絶対に曲がらないティショット」と、一目置かれる抜群の安定感に、今年は二重の喜びとなったには違いないが、本人は満足しない。

「あとは、得意分野でいうと、フェアウェイキープ率」と今季は7位に甘んじた部門別ランキングの上昇をにらむ。
そしてさらに、喉から手が出るほどに「欲しい」と切望するのは「平均パット賞」。
優勝後も好調をキープした今シーズンだったが、8月の関西オープンで熱中症に倒れたあとは、あまりその後の体調も思わしくなく、思うような成績が残せなかった。
「来年は、1年を通じてもっともっと優勝争いに絡みたい」と切望する河井にとって、最大の課題は「苦手分野」の向上という。

普段から、道具をとっかえひっかえしたり、クロスハンドで構えたり。グリーン上での工夫は欠かさないが、なお痛感するのは「上位に行くにはまずパット」。
堂々1位の石川遼を、はるか上に見上げる平均パット84位は、正確無比なショットが生かし切れているとは、確かに言えない。
「そこの数字を上げていかないとお話にならない」と2012年も、40歳を超えてなお苦労人の試行錯誤は続く。

  • 自身2度目の受賞となったパーオン率賞。12月5日に行われたジャパンゴルフツアー表彰式では、永久シード選手の青木功より記念のトロフィを贈られて二重の喜び!!

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