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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011

2週連続Vを狙う、武藤俊憲

先週は、きっちり仕返しされた。4打差の逆転Vを飾ったダンロップフェニックス。最終組から2つ前の組で上がった武藤をニヤケ顔が待っていた。

43歳のベテランを軸にした“谷口軍団”。その筆頭の谷口徹がペットボトルの水を2本も抱えて待ち構えていた。

あれは10月。師匠がツアー通算17勝目を飾ったブリヂストンオープンだ。祝福に駆けつけた弟子たちは、やっぱりペットボトルの水を手に取り、かなり悩んだ末に、結局思い切って師匠の頭から水を浴びせかけた。

「喜びに浸っていたのに、覚めたやないか!」と口をとがらせていた谷口も先週は、今度はお前だとばかりに、上がったばかりの武藤に向かっていたずら顔で、手招きしていた。

当時はまだ、他の選手のプレーが残っていたことと、テレビ中継の放送エリアに呼ばれていたこともあって、武藤はひとまず“避難”。そのまま、グリーンサイドの奥の林の中に隠れていたのだが、2位につけていたスペインのカスタノが17番でボギーを打ち、最終ホールを前に4打差がついて、もはや武藤の勝利も決まったとあっては、逃げ切れない。

「早くこっちに来い!」と、師匠に催促されては、覚悟を決めるしかない。
いっそ万歳ポーズで潔く、大量の水を浴びたはいいが、「パンツまでびちょびちょです」と、表彰式では鼻をすすりながらの優勝スピーチ。

「目が覚めたやろう!」と前回の借りを返されたとあっては、師匠には反論も出来なかったがそのかわりに手荒い祝福の輪の中にいた弟弟子に宣戦布告だ。

「みちおぉ〜! 覚えてろよぉ〜!」。

次週のカシオワールドオープンで、連覇がかかっている松村道央。
今週の会場のKochi黒潮カントリークラブもやはり、風がゲームの鍵を握るコースだが、「松村が勝てて、俺が勝てないことはない」といま、部門別ランキングのトータルドライビングで1位を走る武藤は、昨年の松村から2年ぶり3度目の“称号”を奪い返さんばかりの勢いに、自信も深まる。

また、いつも手厳しい師匠にも、闘志メラメラ。
「残り2試合で、谷口さんを抜きたいと思います」と、熾烈な賞金レースにも割って入る気満々だ。

「これから3連勝を狙います」と、そればかりか逆転の賞金王も視野に入れて、ツアーの終盤戦を盛り上げる!

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