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〜全英への道〜ミズノオープン 2013
池田勇太は本戦でも頑張る
特に朝はバケツをひっくり返したような豪雨に、1時間もスタートを見合わせたあげくに、結局、競技の中止が決まった。
これに機転をきかせたのが我らが選手会長。兼・宴会部長としては、お客さまをこのまま帰すわけにはいかない。9時に中止の決定が下るなり、主催者に申し出た。
せめて、プロアマ戦のかわりにクラブハウスで行うことになった懇親パーティで、選手のトークショーをさせて欲しい、と。
「司会進行は僕がします。壇上に上がる選手の段取りも、お任せください」。
そして、いざ本番では次々と、スター選手をステージに引っ張り上げた。
相変わらず驚異の行動力である。中止が決まった9時から、パーティの開会までは、わずか30分あまり。その間にホストプロの鈴木亨と手嶋多一。そして目下、賞金ランク1位の怪物ルーキー、松山英樹に加えて、久しぶりに大会への出場を決めた世界のアオキ。
これだけの顔ぶれに参加の承諾を取り付けると、「青木さんは、この試合は何年ぶりの出場だっけ?」。
トランシーバーで、すぐに返事が入る。
「92年大会以来なので、21年ぶりです」。
そんな情報網を駆使して、数々のデータをかき集めて素早くメモに走り書きをしながら、頭の中に、進行台本を描き出す。
トークショーのメインはやっぱり、全英オープンの日本予選ランキングを兼ねた今大会にちなんで、今年の会場となるリンクスコースのミュアフィールドについて。
前回、同コースで開催された2002年大会に挑戦した鈴木と手嶋から、当時の様子を上手に聞き出す。そして、80年大会のミュアフィールドでは、3日目に未だに破られないコースレコードの63を出した青木からは、伝統と格式の重みを。
若い松山からは、初出場に際して初々しいコメントを。いっときも場をしらけさせない名・進行ぶりに、プロのアナウンサーも脱帽だ。「私なんか、必要ないみたい…」。それは、まさかないが、それにしても完璧な司会ぶりだった。
あいにく1ホールも回れなかったプロアマ戦も、選手会長の尽力で、普段とはまた違った趣きとなった。みな和気藹々と喜んでくださったら“本業”はこれから。今年は、先月に背中を痛めたこともあり、この全英オープンの日本予選はトップ10にもランクインしていない。「私も久しぶりに全英に行きたいのでここ岡山でも良いプレーをお見せ出来るように頑張る」。明日からも、健闘を誓った。