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JGTOの夏の強化セミナーを実施(7月13日)

2013年の冬からスタートした「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート“オリンピックを目指して”」は、昨年から1日集中型の“夏合宿”も実施が始まり、今年はその第一回が7月13日月曜日に岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われた。

これは、いわば冬の“宮崎合宿”で学んだ内容を補完する目的で実施されるものであり、気温33度の猛暑日の中、参加した15人はまず、宮崎合宿に参加して以降、これまでに取り組んできた自身の課題を発表。JGTOの理事で、ツアー通算16勝の鈴木規夫にもアドバイスをもらいながら、互いの意見に熱心に耳を傾けた。

今回はわずか1日の日程ながら、4スタンス理論の廣戸聡一先生も駆けつけてくださり、冬の宮崎で得た内容をおさらいし、またそこから新しい知識を得ようと参加者たちはみな真剣そのものだ。

今回の1日合宿にも参加した森本雄は、今年5月のチャレンジトーナメント「グッジョブチャレンジsupported by 丸山茂樹ジュニアファンデーション」で、完全優勝の初Vを飾った。
合宿のテーマでもある「軸を意識して、まずちゃんと立つ」という基本中の基本を生かして結果を出したわけだがそれも「試合が続くとだんだんおろそかになっていた」。この日の講義で改めて、その重要性を痛感して、「もういちど、ちゃんと立つというのをやってみよう」と、 改めて頭に今後の課題をたたき込んだ。

今季初シード選手の平本穏は、いざシーズンに突入すると「オフの宮崎合宿で教わったことも、あやふやになってしまっていた点が多かった」。ツアーはこれからツアー中盤戦にさしかかるこの時期に、今回の1日合宿で「こまかなポイントが見直せて良かった。これからやれそうです」。

午後からの実践練習は、小技を中心に行われた。合宿の会場としてお借りしたJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は今週行われる全英オープンのリンクスコースを彷彿とさせる。膝まで埋もれてしまいそうな丈高いヒースの中から脱出する技を、鈴木が指導。「常に最悪を想定して練習を!」。
続くパット練習は「これが勝負のパット。優勝争いのパットだと思って、真剣に打て。そして試合では、練習のようにリラックスして打て」と、極意を伝授。

折しもこの日は、日本アマの最終日で、なんと最年少でタイトルを勝ち取った広島国際学院高校2年生の金谷拓実さんも、実は冬の宮崎合宿に参加しており、今年は3月の「文部科学大臣楯争奪第35回全国高等学校ゴルフ選手権」を制した際にも「JGTOの強化セミナーで学んだビート(リズムに合わせて体幹を強化する方法)を取り入れ、土踏まずを意識した立ち方によって飛距離が伸びました」と、成果のほどを口にしていたものだ。

この合宿から羽ばたいて行くものが次第に増えて、近頃はJGTOのインターネット中継でも解説者として活躍中の鈴木は「テレビで解説するよりも、何倍も責任重大。こっちは選手の人生がかかっている」と、教える側も真剣勝負だ。

活躍の場が増えれば、メディアなどの露出も増える。「自分を表現して伝えることは、プロフェッショナルとして必要なこと。ファンの心に届くようなコメントが求められる」と講義の締めくくりに参加者たちに、この日、確かに自分が学べたと思うことなどを、全員の前で発表させたのも、選手たちの表現力も養おうと鈴木が考えてのことだった。
合宿では単にゴルフの技だけではなく、人間性も含めてトータルで魅力的な人材の育成を目指す。

最後は廣戸先生から「自分のショットとパットを漢字一文字で表わしてください」との宿題が出された。「深く考えてくください。いざというときに、その漢字が頭に出てくるとその通りにできるから」。これからツアー後半戦はこの宿題の答えを出して、嬉しいニュースを届けてくれる選手が何人あらわれるか。

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