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今年は勝つぞ! 2014年のツアープレーヤーNO.1の竹谷佳孝
満身創痍で、それでも賞金ランクは43位に食い込み、複数年シードにも甘んじることなく、しっかりと賞金シードを守って戦い終えた。
「オフの今も正直、練習量はセーブするしかない。シーズンが終わってからは、ラウンドも2回しか出来なかった」。それでも先月末のシーズン初戦「SMBCシンガポールオープン」は、やっぱり出場したかった。
初優勝時についてきた特典「世界ゴルフ選手権ブリヂストン招待」の出場で、初めて海外でメジャー級の大舞台を踏んで、味をしめた。たとえどんなに打ちのめされても、実際にその場所に立って、壁の高さを経験してみること。現場を味わってみることの醍醐味を知れば、出場権すらままならぬ時代には、自分には絵空事と思えた舞台も、「チャンスがあるならこれからも、何度でも経験してみたい」。
シンガポールには、あのジョーダン・スピースも来るということだった。「凄く良いコースだと聞いたし、行くべきだ、と」。結果は予選落ちでも、世界一と同じフィールドに立てたことは本当に良かった。
そして今週は宮崎である。JGTO主催の強化合宿「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート」も正直、今の体ではキツいなんてものじゃない。
「いやほんと、今年はプールでの実習も加わって、メニューも年々ハードになっているので。シャレにならないくらいに、キツいです」。合宿の総責任者である、JGTO理事の鈴木規夫には、あらかじめ体の状態は伝えていて、メイン講師の廣戸聡一先生はじめスタッフのみなさんは、わざわざ竹谷のために負担の少ない特別メニューを作ってくださっていたのは本当に有り難かったが、「それでもやっぱりキツい」と、連日悲鳴をあげながら、若者たちと汗を流している。
「もうシードも3年目なんだから。宮崎は行かなくてもいいんじゃないの?と言ってくる人もいます」。竹谷自身も、確かに、この強化セミナーには「オリンピックを目指して」というサブタイトルがついているからには、「やはりもっと若い選手にこそ飛び込んでもらいたい場所」と、思っている。
昨年からこの強化セミナーでは高校ゴルフ連盟の協力を得て、将来有望なジュニア選手も参加するようになった。今月8日から5日間の日程で始まった、今年2度目の合宿では先週の「レオパレス21ミャンマーオープン」に挑戦した高校2年生の金谷拓実さんと、岡崎錬さんも帰国したその足で合流して、竹谷らプロたちと共に鍛錬を積んでいる。
「この合宿で得た知識が、若い彼らの将来にも必ず役に立つ日が来ると思うと、ゴルフ界の将来のためにも、こういう場を提供していただけることは、本当にありがたい」。ゴルフ界の将来を、ひそかに案じる中堅プロは、「毎年、こういう素晴らしい場所をご提供してくださるスポンサーのみなさんにも感謝したい」。
今年、自身はリハビリを兼ねた4年連続の参加には、多少の心苦しさもあるが、「参加するからには、僕も本気でやります。4年目の今年もまたここに来たからには,必ず得るものがあるはずだし、厳しいトレーニングを通じて、僕みたいな選手もまだこれだけ頑張れるんだ、と若い選手に少しでも見せられればいいなあと、思いながら取り組んでいます」。
2016年もケガとの戦いは避けられないだろう。「でも、今年は勝つという強い気持ちを持って試合に臨もうと思っている」と竹谷。昨年11月のダンロップフェニックスでは初日に首位に立ちながら、17位タイに終わるなど、たびたび優勝争いに加わりながら、次の2勝目を掴みきれずに終わってしまった。
戦いの場で、体の故障など言い訳にはならない。「ただ、気持ちが足りなかったんだろう、と」。深い反省の念をこめて、今年もま体にムチ打ち、新シーズンに備える。