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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2021
3位浮上の竹谷佳孝「袖ケ浦がなんか好き」
首や手首や背中にも、痛み予防のテープでグルグル巻きだが、大好きなコースに身を任せて無心で挑む。
プロ15年目の竹谷佳孝(たけや・よしたか)がボギーなしの「66」。
通算9アンダーで、首位と2打差の3位に浮上した。
「昨日からずーっと同じ感じ。ミスも出るけどうまく拾えるとか、ボギーを打つけどバーディも獲れるとか」。
ここに来るとなぜか不思議と流れがいい。
初出場の14年大会で、3位タイに入った。
以来、「袖ケ浦がとても好き」という。
その気持ちはたとえスコアを打った時でも変わらない。
「成績云々じゃない。雰囲気がなんか好き。打ちのめされても嫌いになれない。自分のせいだな、って、今の自分が分かる気がします」と自然と真摯な気持ちになれるという。
最近、精彩を欠いていた得意のパットも、ここに来ると自然と試行錯誤が実りだす。
「例えば握りから、ストロークから、姿勢から目線から、そういうのがいろいろかみ合わないっていうのがだれにもあると思うんですけど、今週はパターも変えて」。
地元山口県の宇部鴻城高校2年の腰痛で、好きな野球を断念し、ゴルフに転向以降も壮絶なケガとの闘いは続くが、「今年はそれほどの痛みはない」と、それに乗じてプレー後の居残り時間を増やせば「練習は裏切らない。我慢してやっていればよいのも来てくれる」。
自分を信じて初日から好結果を並べることができた。
チャレンジトーナメントの賞金ランク2位の資格で出場権をつかんだ2014年の「日本ゴルフツアー選手権」で初優勝。5年シードでつかんだが、そこからほぼ毎年、賞金シードは薄氷の争いだ。
20ー21年のロングシーズンも、今やっと1000万円を超えたところで、賞金ランクはまだ60位にとどまる。
今年もまたシビアな戦いに、「時期も時期ですし、この職場を目指しているプロゴルファーっていう意味では来年も再来年もずっと出続けたいですし、そこに向かってどういう姿勢、気持ちで取り組むか」。
考えない日はないが「あがいても仕方ない。そこに固執するのは僕の場合はよくない。家族のこととかもありますけど、もっと大事なことがあるんだろうな、と思って取り組んでいます」。
悟りの境地で大好きな袖ケ浦を歩いている。