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三井住友VISA太平洋マスターズ 2015
賞金レースは2週連続で“鬼の居ぬ間に”
「え?そうなの?! 何で?!」と一瞬、目が点になった池田勇太。
先週は中国北京で行われた世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」から戻ってすぐ熱を出した“鬼”。この日も一度、御殿場に来たのはいいのだが、足もフラフラ。それでも「主催者さんに、ご挨拶がしたい」と律儀な鬼は、そのあと体調不良で、やむなく出場を断念した。
「そうなんだ・・・」と一瞬、呆けたように、しかしすぐに池田は気を取り直す。先週から引き続いて、2週連続で賞金1位がいない試合で「それをどーのこーの言っちゃいけないんだけど・・・」と、言葉を選んで「俺は、先週からだいぶ、復調してきたし、いい感じで打てているから。俺はとにかく差を縮めるだけ。今の自分には優勝だけ。それだけを考えて、戦いたい」。
先週の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」でツアー通算11勝目を飾って、賞金ランク3位に浮上した谷原秀人。「かわいそうだった」と、庚泰 (キョンテ)の体調を思いやりながらも、そこは勝負の世界。
このまま、あっさりと鬼の逃げ切りを許してはつまらない。「お客さんも楽しみにしているだろうし、キョンテが先週と今週とでれない間に差を詰めないと。チャンスなので、それを生かせないといけない。ちょっとでも盛り上げたい」。
そして、先週はやはり、世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」で日本ツアーを留守にしたのは小平智だ。いない間に、賞金ランクで谷原に抜かれた。同4位はしかし「谷原さんとは差がないので。今週は行けるだけ、上位にいくつもりで頑張る」。
それ以上に、1位との差も鬼のいぬ間に、縮めておきたいのは、小平も同じだ。
自身初の年間複数回Vの記録もかかっている。「今年はあと4試合。まだあと1個、2個は勝つつもりで回りたい。最後まで、諦めずに上を目指すだけ」。
この日水曜日のプロアマ戦は、組は違えど彼女とお仕事。古閑美保さんの出場が決まって、「御殿場のグリーンは速いよ」と、忠告をしておいた。しかし「速いのは得意」と古閑さんに、こともなげに返されて、「じゃあ、言うことないじゃん、と」。今週も、そんな心強い元・女王の声援を受けて、小平も初の王座に向かって、がむしゃらに戦う。